本校教員が講師となり、アメリカの成り立ち、各時代における移民の数の推移、移民の出身国の変化、将来予測についての解説を聞いた後、個性とは何か、また表面からわかる個性とわからない個性があることを確認しました。
以下は、参加者によるレポートです。
Cさん今回のNY研修にあたっての事前研修では歴史から学ぶアメリカの多様性についての講義を受けました。現在、アメリカは人種のサラダボウルと言われるほど沢山の人種が存在しているのは知ってはいましたが、詳しい歴史はあまり知らなかったのでいい機会になりました。習ったことがとても多くて言葉で説明するのが大変なのですが、具体的に言うと今のアメリカが多様な人種で構成されているのには多くの国からの支配が深く関係していることがわかりました。例えば、St. LouisやLouisianaはフランス国王のルイ14世にちなんでつけられたのでありその背後にはフランスのアメリカへの植民地支配が伺えました。また、New Yorkはオランダが支配していた時はNew Amsterdamと名付けられていたそうです。いろんな国々の人によってアメリカは開拓されていくのですが、やはりその過程には苦労があったそうでアメリカが日本と戦争をした太平洋戦争の時には日本人の子供は学校で授業を受けられなくなったり強制収容所で捕虜として働かされていたそうです。そんな苦労もあって今のアメリカは多種多様な人種、宗教からなる多民族国家へとなりました。そのことも踏まえて改めて多様性とは重要な考え方だなと実感できました。KさんNY研修に向けて初の事前研修ということもあり、少し緊張していましたが、雰囲気なども柔らかくリラックスしながら研修に取り組むことができました。普段の日本史や世界史では習わない細かいところまで学ぶことができました。アメリカが元々移民の国であることは知っていたけど、どういう過程でどの国がいつアメリカにやって来たのかなどはそれほど深く知らなかったので「なるほど!」と思えるところがたくさんありました。黒人を輸出品目として貿易を行っていたことを知り、人間を労働力としか扱っていなく、黒人の人たちの人権は一切考えられていないし、なぜ黒人が?という疑問を持ちました。調べていこうと思います。印象に残ったのは、最後に先生が聞いた、個人のアイデンティティーはどうやって判断されるかを考えたところです。容姿や性格、バックグラウンドなど、たくさんの意見がでてきて、どれも確かにそうだなと思いました。判断する基準はたくさんあって、例えば性別だけ、見た目だけなどの片寄った要素で相手を判断するのではなく、今日出てきたようなたくさんの要素で相手のアイデンティティーを判断していくことが大切だなと思いました。Yさん事前研修を受けて、アメリカの移民について今まであまり知らなかったけど、詳しい歴史が少しわかりました。中でも、2050年には白人以外の人種の人たちが、半数以上を占めることになるという話は驚きでした。また、アジアからの移民が想像よりも多かったです。年代別の移民の数のグラフを見て、移民の受け入れも政治的な問題に大きく影響を受けるんだと思いました。いろんな人種の移民が同じ場所で生活してるのが、不思議な感じがしたし、それをしっかりと受け入れているアメリカ社会はすごいなって思いました。Rさん事前研修を受けて、移民の歴史について理解をすることができました。特に、多くのアメリカでの出来事は移民と関わっていて、アメリカの歴史について知識を深めることは必要であると思いました。それにより移民の波について知ることができ、今後の波について考え、また、適切な移民政策とは何かをすることができると思いました。トランプ大統領を批判する人が多いものの、支持する人も多いので、このような移民問題について勉強する必要があるとも感じました。しかし、多くのトランプ不支持者は有識者です。知識を増やしても反トランプの意見を持ってしまうため、実際にそこに行き、そこでしか感じられない反移民の考え方も理解したいです。それをすることでより確かな自分の意見を持つことができると思います。そのため、事前研修や実際の研修を大切にし、多角的な意見を持ちたいと思いました。Hさん最近、トランプ氏が移民問題について言及しているところをニュースでよく見るので移民って結構最近の問題なのかなとか思っていたけど、アメリカの移民の歴史を聞いて全然最近からの問題じゃないんだと知って驚きました。移民のことについては本当に全然知らないことだらけで、少し不安になりました。でも、事前研修で歴史や、人種の割合などたくさん教えてもらったのでちゃんと覚えておこうと思いました。アメリカの歴史は、大まかなことはわかったいたけど細かいところで知らないこともあったのでもうちょっと自分のなかで整理しておこうと思いました。先生もおっしゃっていたように、アメリカほど多様性のある国は他にないと言われるほどの国なので、日本とはまったく違う考え方や、環境だと思うので学べることもきっとたくさんあるはずなのでしっかり勉強して来ようと改めて思いました。また、自分は全然知らないことも多いので事前に予習もできることはやっておこうと思いました。Mさん私はNY研修の課題文に移民のことについて書いたのですが、今回初めての事前研修で移民の歴史について深く知れてとても面白かったです。アメリカは日本とは違って移民大国でたくさんの人種の人たちが同じ場所で過ごしているのがすごいと思いました。仮にそれが日本だったら法律や整備もされていないし、まず日本人の意識的な問題があってなかなか実現できないと思います。そういう点からアメリカの人たちは多様性を大事にしているように感じました。最近テレビのニュースや同じ探究チームの人の発表でアメリカのトランプ大統領による移民政策についてよく聞くのですが、そもそもアメリカは移民が作った国なのに移民を追い出そうとしているということを聞いて驚きました。移民が増えすぎているせいでアメリカ人の失業率が上がっているなど深刻な問題があるのは事実ですが、今回の事前研修を聞いて私は日本ももっと多様性を重視するべきだと感じました。そして私自身も偏った考え方で物事を見るのではなく多様性を大事にしていきたいと思いました。Kさん今回の事前研修を通じて、現代の移民とかつてのアメリカの移民について学びました。今、アメリカを築き上げていってるといっても過言でもない白人たちは元々はヨーロッパからの移民であり、現アメリカ大統領の祖父はドイツからの移民です。元々は、私たち日本人と同じ黄色人種の国であったのに、その黄色人種たち、インディアンの方達は、アメリカの中でもはや少数派の民族となり移民である白人達に奴隷としてつれたこられた、黒人達よりも少なくなり、いったいなぜ、こうもインディアンの人達が少なくなってしまったのかを深く知りたいと思いました。他にも、今元々自分達が移民だった人達が現在の移民の受け入れを反対する訳をしっかりと理解し、いまのアメリカの移民受け入れ体制を研修本番の前にしっかりとあたまにいれて挑んで行きたいと思いました。もちろん、これは日本にも通ずる話題で日本は先進国の中では移民受け入れに対して全然積極的ではありません、しかし理由はきっとアメリカと違うと思います。そこの違いをはっきりと理解できたらいいなと思います。移民の事を再確認できたよい事前研修でした。Nさん今日の事前研修で最も重点が置かれていたと思ったのは人権と歴史で、1番大事だと思ったのはwaterline of visibilly の図です。多様性のある国アメリカは、紆余曲折ありながらも、様々な文化や歴史背景を取り入れてきたそうです。このことから、これからの日本がグローバル化し、色々な人と人権を認め合うにあたって最も重要な事は、個人個人を理解して認めることだと思いました。第1に、その人を理解する為には、人種や肌の色、社会的地位や出身だけでなく、もっと深いところにある、才能やバックグラウンドに目を向けることが大切だと思います。第2に、認める為には、深いところに目を向ける事ができたら、必ずその人にしかない長所があるので、それを認めることが大切だと思いました。
ドイツが移民の受け入れに対して寛容な理由の1つに、ナチスのユダヤ人排斥の歴史的背景があると聞きました。その当時ドイツではユダヤ系の人の人権は踏みにじられ、強制収容所に入れられたり殺されたり、アウシュヴィッツ強制収容所は、今でもドイツの負の遺産として残っており、人々の意識に強い影響を与えています。このような経験をしているドイツは、他国の様に何も経験していない国と移民問題についての考え方が違います。日本は今まで1度も移民の受け入れを発表したことはありません。そして、私自身も移民の受け入れに対してすごくいいことは思わなかったし、できることなら日本は移民を受け入れない方がいいと思っていました。でも、今日の事前研修で移民について少し学んだ事で、その考え一択ではないな、と考え直しました。実際に現地で、移民博物館に行ったり、tenement に行ったりできるそうなので、そこで移民問題についてより深く何かを感じたいです。