2018年12月21日金曜日

文化祭でフェアトレード商品を販売した3年生へのインタビュー

千里高校3年生の村木玲奈さんは、今年9月の文化祭で本校生と一般の来場者の方にフェアトレード商品を販売しました。そこで、村木さんがこのようなことを始めたきっかけや彼女の今後についてインタビューしました。
Q1. フェアトレードを詳しく学びたいと思ったきっかけについて教えてください。
千里高校では国際的な問題を扱った授業があり、その中でも貧困の問題―児童労働は特に私の関心の中心でした。 
学校に行けない子どもたちがいる事がとてもショックでしたし、現在の日本の子どもたちと比べるととても不公平だと思ったからです。 
そして以前から気になっていたレストランでの「食べ残し問題」は貧困問題への解決策になるかもしれないと感じました。 
▶︎プラスαエピソード
振り返れば、以前から国際問題について興味がありました。 中学3年生の時に参加した弁論大会が「将来について」でした。それがきっかけで将来について初めて考えました。その頃から国際的な問題について少しずつ考えるようになりました。

Q2. 文化祭でフェアトレードを普及させようと思ったのはなぜですか?
ある授業で、大阪大学の学生さんからフェアトレードを普及させようと学生自らが動いて働きかけているという話を聞きました。 
この話に刺激を受けて、私も動いてみようと思いました。 
高校生の私が貧困問題を解決するためにできることを考えた時、大きな事はできないけれど、フェアトレードならできるかもしれないと思いました。 
それには、国際理解の「チョコレートから見る児童労働」の授業やヒロコーヒーを訪問した際のフェアトレード普及に対する企業努力の大変さを知ったことがヒントになりました。 
▶︎プラスαエピソード
また、課題研究『探究』の授業での私のテーマは、当初「貧困問題をどう解決するか」というものでした。これではとても範囲が広すぎるので、貧困問題の中でも児童労働に焦点を絞っていきました。
 

Q3. 文化祭で行ったフェアトレードのアンケートの中で興味を持った意見をいくつか教えてください。
「全てをフェアトレード商品にする」「大手のスーパーマーケットではフェアトレード商品を見かけるが、よく行くスーパーマーケットでは見かけないので、どんなお店でも購入できるようにする」などがありました。 
これらの意見は、多少の違いはあるものの、他のアンケート意見も含めてフェアトレードの認知度を上げるべきだという点では一致していました。 
この結果には驚きましたし、みんながフェアトレードを前向きに考えているのだと知り嬉しかったです。
▶︎プラスαエピソード
文化祭では、フェアトレード商品の方がよく売れました。今回はM社の商品と対比させて販売しましたが、M社はよく名の知れた菓子メーカーです。しかし、日本で認知度の低い海外の商品だと(珍しさがプラスに働いて)結果が異なるかも知れません。もし機会があれば、今度はこのような商品と対比させて販売したいと思いました。
Q4. 千里高校を卒業後、フェアトレードもしくは国際問題についてより深くかかわろうと思いますか。それはなぜですか?
はい。将来は「人の役に立つカフェ」を経営したいと考えています。 
このカフェでは、福祉的要素を取り入れたスタイルにし、 
①社会で働くことができない人と一緒に働いたり、 
②フェアトレード商品を置いたり、 
③フードバンクに寄付したりしたいです。 
また、簡単なことではないけれど、カフェを通して他の企業にもフェアトレードの考え方を広めたいと思っています。 
この夢を実現するために高校卒業後、社会福祉が学べる大学(社会福祉士の資格取得ができる)に行く予定です。 
大学では千里高校で学んだ視点とは別の社会福祉という視点から国際問題を考えたいと思っています。 
一方で、この大学の国際ボランティアサークルにも興味を持っています。 
社会福祉についてはベースを国内に、サークルでは海外にベースを持とうと考えています。 

▶︎プラスαエピソード

カフェのコンセプトと同様、人のために何かしたいという気持ちを持ったのは高校1年生の夏でした。それまでは子ども会や地域の集まりなどでボランティアをしていました。いわばボランティアという場が与えられていた、受身の気持ちでした。ただ人のために何かするという環境はありました。高1の夏、吹田市主催のボランティア体験の案内を見て初めて自ら行動を起こそうと思いました。2011年に起きた東日本大震災後の宮城県南三陸地域を訪れ、実際に現地の様子や高校生と交流することで、「私も何か役に立つことがしたい」と本当に心から思いました。このように私がフェアトレード商品の販売を実行できたのは、環境に恵まれていたからだと思います。


2019.2.9.開催 学習成果発表会『千里フェスタ』のご案内(教育関係者向け)

大阪府立千里高等学校 第14回「千里フェスタ」及び 
「SGH/SSH生徒研究発表会」「SGH実践報告会・公開勉強会」の 
開催について(ご案内) 

本校では、「総合的な学習の時間」や学校設定科目「探究」「科学探究」などの国際・科学高校の特色を生かした学習成果発表の場として「千里フェスタ」を実施しており、本年は第14回を下記のとおり実施いたします。

本校は平成27年度より「スーパーグローバルハイスクール(SGH)」、昨年度より「スーパーサイエンスハイスクール(SSH)」(2期目)の指定を受け、研究開発に取り組んでおります。

当日は、「千里フェスタ」と併せて「SGH生徒研究発表会」「SSH生徒研究発表会」、さらに教員対象の「SGH実践報告会・公開勉強会」を実施いたします。多くの方にご参観・ご参加いただき、本校の取り組みについてご指導、ご助言を賜りたく、ご案内申しあげます。

◆日 時 平成31年2月9日(土) 9:00~15:30

◆会 場 大阪府立千里高等学校  大阪府吹田市高野台二丁目17番1号

    (阪急・大阪モノレール山田駅から南へ800m、阪急南千里駅から北東 1km)

◆内 容  
8:30 ~ 受付
9:00 ~ 11:50 【午前の発表は保護者にも公開しています。】

・授業成果発表:1,2年生が約20会場に分かれ、「探究」「科学探究」「情報」「英語」「海外研修」などの成果発表のプレゼンテーション等を行います。また、「生活科学」などの成果作品を展示します。

・SGH生徒研究発表会(視聴覚教室):国際文化科2年「探究」口頭発表 11件
・SSH生徒研究発表会(図書室):総合科学科2年「科学探究」口頭発表 6件

12:40 ~ 13:40【ここからは事前に申込みをされた教員等対象です】 

・SGH実践報告会:課題研究『探究』について
          課題研究を支え・広げる活動
                                 (講演・ワークショップ・国内フィールドワーク・『探究基礎』・海外研修等)について

14:00 ~ 15:30 
・公開勉強会『SDGs×教科の魅力~各教科へのつなげ方と実践紹介~』
勉強会の講師には、山藤旅聞先生をお招きします。先生は生徒が主体的・自立的に学びを進める「対話式・双方向性授業」を実践しながら、教科の「学び」が社会課題の解決につながり、そしてその解決に向けて生徒自らが行動することを目指す授業スタイルに取組んでおられます。
SDGsを「窓」とすることで、教科学習を社会課題と結びつけられる可能性があります。また、SDGsをハブとして各教科が有機的に結びつくことも可能です。さらに、教員と生徒、保護者、外部リソースが「次世代の地球市民育成」という目的を共有して学習を構成することも可能になると考えます。
SGH指定校としてのこれまでの取組をこのような方向で発展させるために勉強会を企画しました。
同様の方向を目指しておられる、あるいは関心をお持ちの多くの先生方にお越しいただき、共通の課題について講師の山藤先生の実践経験からヒントを得られればと考えております。

◆参加申込や詳しい内容についてはこちらのご案内(PDF)をご覧ください。

2018年12月18日火曜日

2018.12.15.全国SGHフォーラムで2年生が発表


今年度参加し発表をしたのは国際文化科2年生の森吉さんと田中さんです。課題研究「探究」で研究している内容をポスターにまとめ、英語で紹介しました。

全国から、123SGH指定校と18のアソシエイト校の400人の他に、地元東京の5校とアジアかけはしプロジェクトで来日している23人の留学生が参加しているとの報告がありました。
朝6時台の新幹線で新大阪から出発、東京駅から徒歩約10分の会場・東京国際フォーラムには9時半ごろに到着しました。ガラスと白い鉄骨構造それに曲線を基調にしたデザインの近未来を思わせる会場です。



開会式に続いて、審査員の方と聴衆を前に2回発表を行います。4分間の発表時間に収めるために何度も構成を重ねていたおかげで、自分の言葉として話せていたように思います。






発表後の審査員の方からのcriticalな質問にも、的確に自分の考えを答えられていました。質問の内容は、児童労働の子どもの数の男女の内訳は?その差についてどう考えるか?実態を知った上で自分としては何が有効で何ができると思うか?といったものでした。これらに即座に答えられたのは、発表した内容の何倍もの知識や考察があったからだと考えています。



午後は、テーマ別のディスカッションに臨みました。本校生は「貧困」についての分科会でした。

貧困の原因は何か?有効な解決策は何か?高校生ができることは何か?グループ討論のあと全体に報告する形式で進められました。自分の研究や研修での経験を元にした意見が熱心に交わされていました。
閉会式で優秀な発表が表彰されました。表彰された研究は、次の点で優れていたように思われます。
  1. 地域の課題から出発している
  2. 海外研修による現地調査や国際比較を取り入れている
  3. 調査の結果を丁寧に分析している
  4. そこから考えられる解決策にまで言及している
  5. 4分間の中で魅力的に紹介している
この経験を生かし、さらに本校での課題研究がより良いものとなるように指導を進めていきたいと思います。


◾️参加生徒のレポート◾️
今回、SGH全国高校生フォーラムに参加し、全国のSGH指定校の生徒のポスター発表を見ることができ、とてもいい経験になりました。どの高校の発表も手が込んでいて、参考にするところがたくさんありました。 
グループ別ディスカッションでは、貧困について話しました。他校の生徒と会話をする事が出来て、とてもいいディスカッションになりました。積極的な生徒がたくさんいて、私も見習おうと思うことができました。 
私の中で一番印象に残ったのは、最後の全生徒でのディスカッションです。全生徒がいる中で、手を挙げて発表するというもので、発表する人はいるのかなと思っていたけど、誰も手を挙げていない、という状況が全くなく、感心しました。積極性に加え、発言力もとてもあり、英語での発言なのに自分の意思をはっきりと伝えれていて凄かったです。 
英語が出来るのは大前提として、自分の意見をしっかりと英語で発言することができるようになることが一番だと思いました。他校の生徒の英語のレベルの高さにたくさん刺激をもらえました。
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 私たちは午前中にポスターセッションで『探究』の授業で調べているアパレル産業での児童労働問題について、インドとカンボジアに焦点を置き、英語で「あなたならどちらのドレスを買いますか、どのように選びますか。」という題でプレゼンをしました。プレゼンの後には審査員のスタッフや他校の生徒から質問がありました。質問の中で自分たちのプレゼンの中で足りないことに気づくことができました。 
他の高校のプレゼンは自分の地域の問題に終点を置いている高校や、実際に発展途上国などに行ってそこの問題についてまとめ、解決策を自分たちで考えている高校もありました。いろいろな問題についてのプレゼンを聞けて興味深かったです。また、プレゼンテーション力の高さにも驚き、学ぶことがたくさんありました。 
午後はグループ別ディスカッションで私たちは貧困について英語で話しました。初めのほうは緊張であまり話せなかったけど、時間がたつにつれて緊張がほぐれ、話し合いが活発になっていきました。他の高校の人たちはフィリピンなどの現地に行って貧困について学んでいて、実体験に基づいて話して、自分で実際に足を運んで体験することの大切さを実感しました。同じ高校生なのに一つの問題について思っていることが違うこともあって面白かったです。私の考えと違う人もたくさんいて面白かったです。 
今回の全国高校生フォーラムで私は他の高校の生徒の英語力やプレゼンテーション力の高さに驚きました。また、私は海外の問題にばかりとらわれていたけど、私たちの身近にある地域にも問題があることを改めて実感しました。たくさん学ぶこともあり、すごくいい経験でした。ここで学んだことを二月の千里フェスタと三月に行われるSGH甲子園のプレゼンテーションに生かしたいと思います。
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