2019年8月12日月曜日

2019.8.10-12. 大阪大学国際公共政策研究科Future Global Leaders Camp

大阪大学国際公共政策研究科松繁研究室による高校生対象の研究合宿Future Global Leaders Camp。今年度も国際文化科2年生に紹介し、事前選考で選ばれた5人が参加させていただきました。今年のテーマは水。事前選考では水に関するグローバルな問題について小論文を作成し、応募しました。

参加者に書いてもらった「感想と後輩へのメッセージ」を紹介いたします。


杉山さん
私がFGLCに参加して最も良かったことは、目指すべきプレゼンテーションのあり方を学べたことだ。 教授・阪大生による講義や指摘から、自分の今までのプレゼンテーションの欠点に気付くことができた。本質的かつ客観的な考え方や常に疑問を持つ姿勢などの実践に加え、パワーポイントで視覚的に訴える資料を作る方法などを学んだ。教えて頂いたことを全て実践することは難しいが、今後の探究発表などに活かし、自分の強みにしていきたいと思った。
 3日間という限られた時間の中、最終発表で仮説を立証するため、計り知れない数のデータの中から取捨選択し、午前4時まで議論するなど、精神面と共に体力面でも追い込まれたが、その分得たものもとても大きく、参加して本当に良かったと思う。
最終発表でも完全に納得のいく発表が出来ず、「せめて1週間欲しかった」というのが正直な思いだが、この悔しさを胸に、合宿後も課題について調べていきたいと思った。この研修は全国から同じ課題に興味を持っている人が集まるため、個々の考えを共有するなど沢山刺激を受けられる場となっている。また、教授・阪大生の的確な意見を聞けるなど、貴重な体験が出来るとても良い機会なので、是非参加して欲しいと思う。
出羽さん
・参加して勉強になったこと:国際問題について詳しくなった。みんなの前で発表する緊張感を味わえていい経験になった。最初は緊張しかしていなかったが、研究すればするほど自信がつき自分の発言に自信が持てた。サントリーさんが講義に来て水のことや森林のことなど様々なことを学べた。地下水のことについてとても詳しくなった。・『探究』に生かしたいこと:パワーポイントの作り方や仲間と協力する姿勢。1つのことについてフォーカスして研究できる点。どの議題を選びさらにそこからどの場所に注目していくべきなのかといった研究の仕方についての知識を得られた。・後輩へのおすすめコメント:こんなに国際問題について考えることは滅多にないから、とてもいい経験になった。教授からさまざまなアドバイスを貰える。よかったグループは表彰してもらえれる。みんな仲良くなってたくさん友達ができた。様々な所からみんな来ているのでいろいろな話が聞けた。他の学校の様子や勉強の体勢などを話せた。23日の泊まりなので、みんなとても仲良くなる。大学生がとにかく優しくて助けてくれる。
三木さん
私はFGLCに参加して様々なことを学びました。私たちの班はほとんど初対面で、最初は三日間が不安でしたが、次第に自分の意見を素直に伝えられるようになりました。私たちは海洋プラスチック汚染について考えていましたが、とても難しく何度も意見がぶつかり、とても苦しかったのを覚えています。そんな時に意見を下さったのはファシリテーターの大学生でした。行き詰まり黙り込む私たちに「こう考えてみては」ととても参考になるアドバイスをいただきました。しかしなかなか答えは見つからず、作業は夜中まで続きました。最終発表では、三日間苦しみながらみんなで作った発表をしている時、緊張とともに達成感を感じました。大学生のおかげもあり、私たちは三位入賞を果たすことができました。入賞できるとは思っていなかったのでとても嬉しかったです。また、参加者は日本の各地から集まっていたので今回も色々な人と友達になることができました。FGLCに参加できて本当に良かったと思います。



2019年8月10日土曜日

2019.8.8. 大阪府を代表して2年生がOCEAN’s 47に特使として参加

第4回OCEAN’s 47のイベント(勉強会・セミナー・交流会)が8月8日、衆議院第一議員会館で行われました。

大阪府の代表として本校国際文化科2年生の三木朋香さんが参加しました。三木さんは、海洋汚染の問題を課題研究『探究』のテーマに選んでいます。

OCEAN’s 47は、「地球こどもサミット2019」と「海と日本PROJECT」のコラボプロジェクトです。「海のごみ拾い」や「海洋汚染問題に関する勉強会」を開催し、全国の小中学生・高校生と一緒に「日本の海を守るために、子どもたちができること」を、考えていきます。(主催:にこにこ一般財団法人 共催:日本財団 後援:文部文科省、説明は公式HP https://www.earthchildrensummit.org/ocean-s-47/ より)

三木さんの参加レポートを紹介します。
 8月8日に東京で開催されたOCEAN’s 47に大阪代表として参加しました。このイベントは全国から高校生が集まって海洋プラスチック汚染について考えるというものです。
普段聞くことのできない企業や大学の方、さらに元環境事務次官の方のお話を伺いました。『探究』の中で調べていたことをより詳しく聞くことができました。自分の知らないことも多く、とても参考になりました。また、質問タイムでは本質を捉えた質問が多く飛び交っていて、とてもすごいなと思いました。
  知り合いが1人もいない中で1日過ごすことに最初はとても緊張していましたが、ほとんど同い年で、同じことに興味があって研究している仲間たちはとても意識が高く、お互いに色々な話ができました。住んでいるところはそれぞれ全く違いますが、いい仲間たちに出会えたと思います。
  今回学んだことを自分の研究に生かして、校内課題研究発表会『千里フェスタ』などで発表できたらいいなと思います。




2019年8月3日土曜日

2019.7.29-31. SGH夏季Glocalフィールドワーク研修


 夏休みの3日間で、
・とよなか国際交流協会
・茨木市の豊川にあるモスク(イスラム教の礼拝所)
・同じく茨木市の豊川にあるコリア国際学園   のフィールドワーク(現地見学)
・国際人権(Human Rights)・国際的リーダーの資質についてのワークショップ
を行いました。

1日目@とよなか国際交流センター

  1. アイス・ブレーキング:「他己紹介」のために自分を話す、耳を傾けてもらう
  2. プログラムと趣旨の確認
  3. アクティビティーと講義「国際人権入門」
  4. とよなか国際交流協会の事業紹介・ペルーから来日したボランティアの体験を聞く
  5. 今日のふりかえり
「他己紹介」
何を捨てるか? 大切にしたい権利を考えるワーク

とよなか国際交流協会の事業紹介
ペルーにルーツを持つボランティアの体験を聞く
毎日最後は振り返り
今日の疑問は?今日学んだことは?
グループで共有  
2日目@コリア国際学園
  1. 講義:イスラム教入門
  2. 大阪茨木モスク訪問:イマーム(モスクの指導者)によるイスラム教紹介
  3. コリア国際学園(KIS):在校生によるKIS紹介・千里高校生による哲学カフェ紹介・KIS校長による「国籍」への思い
  4. 今日のふりかえり
イスラム教入門
イマームから「メッカ巡礼について」
大阪茨木モスク
KISと千里高校の3年生が講師になりKISと哲学カフェの紹介
金正泰KIS校長から「自分にとって国籍とは?」

3年生がリードしてグループで意見交換

資料を確認しながら振り返り
KISの正門前で記念撮影
 帽子必須の強い陽射しでした。


3日目@千里高校図書室
  1. アクティビティで考える「多文化共生社会」
  2. グループワークと発表:3日間を振り返って考える「グローバルリーダーが持つべき資質とは?」
  3. フィードバックと講義「国際人権について再度考える」
  4. グループに分かれて研修レポートの作成+アンケート記入
役割カードの人物に当てはまれば一歩前へ出ます





役割によって差が出てきます
どんな気持ちがした?
ワークを振り返ります

飛行機の座席、どの人の隣には座りたくない?

3日間を振り返り、グローバルリーダーの資質をまとめます。


グループごとに発表します。

世界人権宣言の意味を再確認

クラスで報告するレポートの作成方法の説明をしています。


  

〜参加者アンケートから〜
Q1あなたの「世界」はどのような点で広がりましたか。
         自分の決め付けがなくなったと思うイスラム教だから,朝鮮人だからではなく, 前に立っている人を人の人間として見極めることが重要だと思った. そういう点で世界が広がったと思った.
         今回,日本国内でのマイノリティーの人について特に学ぶことができたので, そういった人々の現状をよりよくするために必要とされていることなどを知ることで, このような問題を解決できる人になりたいという思いが強くなりました.
         今回話を聞いて自分とは全く違う経験についての話だったので, 深く考えさせられました. 具体的に言うのは難しいですが、確実に世界が広がったのを感じました.
         今までイスラム教や朝鮮について良いイメージがなかったが, この三日間講演を聞いて悪い考えは払拭され国籍や人種だけで個人を判断してはいけないと感じた. 今まで知らなかった宗教や人権のことを学べて知識が増えたという点でさらに広がった.
         自分の中では普通だと思っていたことがそうじゃないことに気づけたので, もっと視野を広げようと思った.
         国籍に関する問題で、在日の人が抱える問題について本人の声を聞いたからこそ, 改めて理解ができたし, 自分は何人なのかということについても深く考えさせられた.
         単純に知らないことが知れたし、自分が何人なのかということが複雑な人がいるということを知ることができ, 何人というのは単純なことではないことがわかった.
         自分は偏った考えばかりで韓国やイスラームに偏見を持っていたが, その偏見がなくなった. それと同様に今まで悪いイメージがあったことも理解を深めれば良い面もわかることがわかった.
         偏見が少しなくなり, 特にイスラム教はそのイメージしかなかったが, 今はいいイメージでいっぱいです. 価値観が変わった.
         自分の身の回りの文化などを見る点.
         今まで知らなかった世界について知識を得ることができた点. イスラム教は悪だとか, 北朝鮮は悪い国だとか言われていた中で今回講演してくださった人たちのおかげでイメージが変わった点.
         私はずっと日本人であることに何の疑問を抱くこともありませんでした. でも, いろいろなお話を今回聞いて, 「私の当たり前, 普通っておかしい」と気付くことができたなと思いました. 「世界」はとても広がったと思いました.

Q2あなたが生きていく上で「勉強になった」と思うことはどんなことですか。
         イスラム教に少し驚いた, あまり厳しくないこと. 学校の先生やメディアは少し誇張して教えたり伝えたりしているので, 実際に見たり聞いたりしないとわからないことがあるんだなと思った.
         なかなか聞くことができない宗教や国籍, 在日外国人の境遇などのデリケートな問題について当事者の方々からお話を聞くことができたので, 理解を深めることができました.
         ひとりひとりが様々でいろいろな枠で区切って考えがちだけれど, それはその人のことを理解することを放棄しているに等しいということ. 
         置きしている身ひとつの考えやマスコミの偏った報道に流されてはいけないこと.
         いろいろな考え方や価値観を知ることができたこと。イスラム教のことをあまり知らなかったので, 直説詳しく話を聞くことができたこと.
         在日の人の考え方で, 国籍にとらわれずに, 「私は1人の人として生きていこう」という考え方がとてもいいなと思った.
         イスラム教は, 自分には関係のない宗教だと思っていたけれど知ることができて, 知らなかったり思っているのと全く違ったりと, とても勉強になった.
         理解を深めていろいろな視点から見ることが大切だということ.
         日本以外の国のことや日本にいる在日の外国人について. 人権に関して. 
         日本には沢山の外国人や外国にルーツを持つ人がいること.
         国際社会においてさまざまな視点から見つめ直すことで今まで知らなかったことや興味がなかったことにもとても関心を持てた. 日常とは異なる体験を通して普段学べないことも学べたこと.
         イスラームは厳しいと言うイメージ(偏見)を持っていたけれど、極端に厳しいわけではないんだなとわかったこと. (編集者註→例えば, 決められた時間に礼拝できなかったら, 遅れても補えば良い. メッカ巡礼も, 時間とお金, 健康が揃ったならば行くというので良い. )自分の見ている世界は本当に一部でしかないこと.
Q3 グローバルに活躍する人が備えるべき資質について、あなたの考えを書いてください。
         数学的な考えが必要だと思う. いろいろな方向や方法を用いて理解し, 解き明かす. そういったことがグローバルに活躍する人に必要となってくると思う.
         様々なことについて, 深い知識を求め, 吸収し, 多角的な思考ができる人材がより増えることによって, 多文化共生社会の実現が進んでいくと思います.
         多様性や文化を理解できる. 豊富な知識を持つ. 自分の意見を持ち, 話せる.
         様々な人と積極的に関わり, さまざまな視点から物事を捉えることができること.
         それぞれの立場になって考えることができ, お互いを理解し合うことができる人.
         狭い範囲だけではなく良いいろいろな国や宗教や文化について知り, 国同士の問題について知ること. 興味をもつこと.
         積極的に行動する. 様々な視点から考える. 考えることをやめない.
         いろいろな視点から物事を捉え考える. 知識を多く蓄える. 人と人との協調性を持つ.
         積極性を持って様々な観点から物事を見ることができる資質.
         異なる文化, 異なる人種などの人とお互い関心を高めて, 理解しようとすること. 1つの見解ではなく, 多くの視点から世界を見つめること.
         物事を多角的に見ることができる視点がある人. 知ること, 無知を認めることを恐れない人. ひとくくりにして考えることをしない人. 知ろうとする人.
         知的好奇心が旺盛なこと.

各指標についての評価
         B1:グローバルな問題に対する関心が高まった」「B6:グローバルな問題をより現実的に理解できるようになった」「C32: 将来国際的に活躍したいという気持ちが高まった」への肯定的な評価が特に高い。
           A1:社会に貢献しようとする気持ちを持つ」「A2:国際的課題について理解が進み、かつ複数の視点から検討できる」についても肯定的な評価が高い。

         進路を考える機会や留学をしたいという気持ちの高まりにつながったと考える生徒も半数以上いる。



>この研修は、アジア太平洋人権情報センター(ヒューライツ大阪)との連携により実施しました。