2016年10月31日月曜日

2016 SGH秋休み企業・大学訪問研修 参加者レポート 05.日本電産

【この記事は、本校生向けの学習資料として掲載しています。】

ここに書かれた各企業についての情報は、メモや記憶に基づいて参加生徒が書いたものです。訪問先企業・大学の確認を受けたものではありません。ご了解の上お読み下さい。

5.日本電産 

現代の国際社会で必要となってきているCSR活動の実態・背景を再確認でき、日本電産さんが行っている活動の内容、その結果・効果を分かりやすく解説していただき色々な知識を得ることが出来ました。

 「紛争鉱物」という言葉は知っていましたが、そういった環境で作られた製品かどうか原料のメーカーまで全て調査する制度など、人と時間が要る大変な作業だけど社会にとってそういう事も必要な状態になってきているのかと初めて思いました。特に、CSR活動を行うためにそれぞれの企業がどのような負担を抱えているのかについて生の声を詳しく聞けて今まで調べてた内容とはまた違うCSR活動の裏の部分が分かった貴重な体験となりました。ありがとうございました。

私が企業訪問研修に参加して学んだことは、企業にとってイメージとはとても大事なもので、いいイメージを保ち続けることは大変だということです。紛争鉱物調査についてのお話をきき、調査するにあたって多くの労力と時間を要することがよくわかりました。私はどの企業も紛争鉱物調査をするべきだ、と1年生の時の国際理解の授業のときに思っていましたが、それはなかなか難しいことなんだとわかりました。

 紛争鉱物調査について、企業でやっていくのが大変なら、国の方で調査するのに必要な労力の援助などを行ってアメリカのように紛争鉱物を使わない法律を作ってしまうのもいいのではないかと思いました。

 他にも会社が大きくなるということは社会的責任がその分多くなるということ、新しいことをすることはとても大変だということ、日本電産さんは女性が働きやすい会社であることがわかりました。


③今回、日本電産を訪問して学んだことが2点ある。1点目は、モーターについてだ。モーターは私たちの日常生活では感じることが少ない。なぜなら、外見からではモーターが使用されているかわからないからだ。最も身近なものでいうと、スマートフォンをはじめとする電子機器などを振動させるためのモーターだ。もう少し規模が大きくなると、エアコンの空気の温度を調整するためにモーターが使われている。車にももう少し大きめのモーターが使用されている。

 2点目は、企業はただ品質の良い製品を作れば良いというものではないということだ。もちろん品質の良い製品を作ることも大事だが、良い製品を作っていく中で環境や社会との調和や人権の尊重、女性の仕事と家庭の両立など様々なことを配慮しながら製品作りをしている。環境との調和の面では、品質の良い製品を作って排出する二酸化炭素量を削減することなどだ。 人権の尊重の面ではコンゴ民主共和国とその周辺の9か国で武装勢力が強制的に金、スズ、タンタル、タングステンの4鉱物をとらせ、儲けを出し、戦争の資金源としていることを問題視し、武装勢力が人権を無視してとった鉱物を使用しない様にするため膨大な数の項目を調査している。女性の仕事と家庭の両立の面では、様々な支援策をとっている。実際に日本電産では、出産・結婚で仕事を辞める人がほとんどいないそうだ。また、日本電産での女性管理職は年々増加しているというデータがあった。さらに日本電産は、部品メーカーの中では女性管理職の割合が非常に高いことがわかった。

 さらに、日本電産は世界33か国、アフリカ以外の州に進出している。アフリカにも進出の可能性があり非常にグローバルな企業だった。

③私が特に印象に残っているのは、日本電産で行っている紛争鉱物の調査についての話です。紛争鉱物のような、武装勢力の資金となるようなものを買わないことで武装勢力の力を弱めることができるのです。企業が、物を生み出すだけでなく世界平和や環境問題にも取り組んでいることに、私は驚きました。そのような問題に直接かかわらない仕事をしながらも問題に貢献できる、ということを学びました。今は学生ですが、私も何かできることはあると思います。そのことを見つけて、貢献していきたいです。

④今回は京都府に本社を置く日本電産を訪問させていただきました。日本電産は世界No.1の総合モーターメーカーであり、HDD用モーター、携帯電話の振動モーター、電動パワステ用モーターを作っています。また、モーターの他に自動車の自動ブレーキのセンサーなども作っています。ビルは高さ100mほどあり、中はとても広くて明るかったです。

⑤日本電産は1973年に創業、当時は4人の会社でした。今では1兆円企業までに成長しました。永守社長はビジネスにおいて知らない人がいないほど有名な方だということが分かりました。ここまでの企業に成長されたのは現在の日本電産に通ずる経営理念、「一番にこだわり、何事においても世界トップを目指すこと」という妥協せずに常に世界に挑む心を一度も忘れずに経営してきたからだと思いました。会社の概要を知ることができました。

 本題のCSRについてですが、そもそもCSRとは何なのかということを再確認できました。以前は「企業は成長と儲けに専念すべき」でしたが現在は「責任を果たす企業は生き残る力を持つ」という社会からの要請で企業の在り方が変わるということが分かりました。企業が大きくなるにつれて社会の期待も大きくということです。また、2015年に国連グローバルコンパクトに参加し、10原則の支持を公式に表明したそうです。今回は紛争鉱物調査とダイバーシティの推進の2つをテーマについて学ばせていただきました。

 紛争鉱物調査は、紛争鉱物というコンゴとその周辺国で産出される金、スズ、タンタル、タングステンの4鉱物がコンゴの武装勢力の資金源になっているため米国のNGOが問題視し、すべての米国上場企業が製品に使用している4鉱物の原産地を調べ結果を米国証券取引委員会(SEC)に報告する義務を負った、という内容です。2011年、日本電産はWebサイトにて対応方針を開示しました。調査は2013~2015年にサプライチェーンにおいて、その鉱物を原料としているサプライヤーに遡って全数調査するものでした。多大なお金と労力が必要になったそうです。結果、購入先が武装勢力ではないことが判明し、SECへ報告書を提出しました。紛争鉱物の仕組みを知ることができてよかったということと根絶してほしいという気持ちが生まれました。


⑥ダイバーシティ推進は、男女ともに働きやすい会社を目指す取り組みでした。2005年にそれに関する活動をスタートし、2007年に「家庭と仕事の両立支援に関する8つの制度を導入、拡充」を発表しました。これにより育児休暇の取得が簡単になり、復職率も90%を超えました。日本電産は女性従業員数が2015年現在366名で、このようなモーターを取り扱う会社では高めになっています。2020年度までに女性管理職の比率が8%になるように目指すそうです。短くまとめてしまいましたがこれがCSRについて学んだことです。

 また、同時に事前にお送りした質問にも答えていただきました。私はアフリカには会社を置く考えはあるのか、贈収賄の仕組みを知りたい、という質問をしました。アフリカに会社を置く考えはあるそうです。ただ、製品の需要がやはりアジア、ヨーロッパの先進国に多く、できるだけ近くで供給したいと考えていらっしゃるそうです。アフリカの需要が多くなってきたら会社を置くかもしれないそうです。贈収賄については想像した通り、特定の企業、民間とのお金のやり取りで、支払った企業側に有利に働くようになるということでした。例を挙げると警察にお金を払って半ば強制パトロールしてもらう、パトロールしてもらわないと犯罪が起こるという状況なので改善が難しそうでした。

 最後に即興の質問にも答えていただきました。日本電産のCSRビジョン2020計画の事業による環境負荷低減の具体的な内容についてお聞きしました。その内容の一例はCO2削減のためにベトナムの工場の空調設備を旧式から日本電産製の最新の空調に変えるということです。小さいように見えますが、効果は大きいそうです。私は探究で低炭素型サプライチェーンという企業のCO2削減について学んでいるのでこの際に質問できてよかったです。

 そして日本電産は読売ジャイアンツのオフィシャルスポンサーであることとスピードスケートのチームが非常に優秀でオリンピックに出場するほどということを知り驚きました。今回の企業訪問は忘れれられない印象が強いものになりました。高校から行くことができ、貴重な体験をさせていただきました。ありがとうございました。この体験をきっと将来に生かしたいと思います。


⑦僕は元々こちらの企業のことは全然知らず、企業訪問の前にインターネットで調べてすごく大きな会社だということを知りました。あまり数値やデータで会社の大きさを提示されてもわからないところ、京都で初めての100mをこえる大きさのビルという文でとてもすごい会社なんだろうなと思いました。実際行ってみると、とても大きなビルで社員の方たちも多く、何より世界にグループ企業が200社以上ある、ということに衝撃を受けました。社員の方の話を聞くと、やはり大きな会社はすることの規模も大きく、そしてそれだけの責任が伴うこともわかりました。そしてそれらの責任から逃れることなく、しなければいけないことはしっかりするところが当たり前のように見えて、とてもすごいことだと思いました。


⑧私は、日本電産へ行ってたくさんのことを知れたように感じます。モーターなど、普段目にしないものを実際に見れて、すごく貴重な経験をできたと思います。またCSRのお話も大変学ぶことが多かったと思います。世界と繋がることは、とても難しいことで、私たちが商品を手にするまでには、たくさんの人が関わり、たくさんの人の苦労があるのだと実感しました。なので、すべてのものに感謝する気持ちは、忘れてはいけないなという気持ちにさせられました。世界には、まだ紛争地帯があって、鉱物をつくらされているのも初めて知りました。紛争鉱物を見つけることの苦労も、少しですが感じとることができたので、これからもっと知るために少しずつ調べていこうと思いました。

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