2019年10月19日土曜日

2019.10.18. 課題研究『探究』中間発表会を開催しました。

本校2年生の課題研究の授業『探究』では、12講座に分かれ、現代社会の課題について解決策を見つけるべく、各自で問いを立てて調査や研究を進めています。

現在の2年生は、1年時の終わりに取り組みたいテーマを提出してもらい、関連の深いSDGsを規準にして講座を編成しました。授業は週2時間です。

学年末には全員が2月の学習成果発表会「千里フェスタ」で研究を発表するとともに論文にまとめて提出します。

10月18日に開催した中間発表会では、各講座の代表10組が6月から始めた研究の中間報告を口頭発表の形式で行いました。また、環境をテーマにした2発表は、同日に開催した「国際シンポジウムで報告しました。


今年度の代表発表の研究タイトル・発表会の概要をご紹介します。

▶代表10組の研究タイトルは…
 ① 食品ロスの多い先進国と発展途上国のフードバンクを増やすには
 ② 親の暴力から子どもを救うには
 ③ 学校教育における日本人と欧米人の積極性の違い
 ④ 歴代のディズニープリンセスから見る理想の女性像の移り変わり
 ⑤ 外国人のための防災
 ⑥ シングルマザーの貧困
 ⑦ 今の日本人学生に必要な力は何か
 ⑧ 性別がない?DSDとは -医療問題と法律-
 ⑨ 消費税アップによって大阪府の人々が福祉面で満足のいく社会をつくることは可能か
 ⑩ すべての子どもが生まれた環境にかかわらず実力を十分に発揮するにはどうすべきか


▶コメンテーターとして…
      ・まちづくりの視点から社会課題に取り組んでおられる
    近畿大学 総合社会学部 環境・まちづくり系専攻  久 隆浩 様
      ・国連グローバル・コンパクト参加企業でCSRを担当されている
    中西金属工業株式会社 CSR統括部            堂脇 智子 様
 にお越しいただき、異なる角度から研究に対して助言をいただきした。



▶今年度は、国際シンポジウムに続いて体育館で行い、従来の国際文化科の2年生に加え、両学科の1年生も発表を聞く形式としました。

・発表者以外の生徒も、代表の発表とそれに対する助言を聞くことによって、自分の研究に役立つ刺激やヒントを見つけてもらうことを目的にしています。

▶また、国際文化科1年生は、発表会後に掲示する全ての発表の中間報告に目を通し、最も興味の惹かれた報告に対してコメントを書いてもらいます。

・これは、来年に向けて課題研究というもののイメージをつかんでもらうとともに、2年生の研究へエールを送ってもらうことを目的にしています。

・コメントは各自のタブレットで作成し、電子的に回収します。
・回収後は、研究ごとに整理して2年生にフィードバックします。



2019年10月4日金曜日

2019.10,4&7 秋休み企業訪問研修2019(研修内容と参加者レポート)


企業の人権・労働・環境に関する取り組みを学ぶため、8企業の協力を得て、104日の秋休みと7日の始業式の午後を使い、「秋休み企業訪問研修」を実施しました。
・このページでは研修案内を掲載しています。

・訪問先名の横の(→REPORT)をクリックすると、参加者・引率教員によるレポート等のページに移動します。

【お断り】レポートに書かれた各企業についての情報は、メモや記憶に基づいて参加生徒が書いたものです。ご了解の上お読み下さい。

. IDEC (→REPORT)
■会社案内
新大阪に本社を置く電気機器メーカーで、1945年の創業以来、「人の命を守る」をコンセプトに人と機械をつなぐ制御機器製品をはじめ様々な製品やサービスを提供しています。
創業の理念である「人間性尊重経営」を最も重要な基盤として、「安全」「安心」な社会の実現を目指しています。
具体的には、ものづくり現場の人手不足解消や生産性向上に貢献する協調安全ロボットシステムや、環境とエネルギーの問題を解消する太陽光発電、おいしく安全・安心で高品質な農産物を効率的・安定的に生産する次世代農業などの環境関連事業も行っています。
アメリカ、ヨーロッパ、アジアなどにグループ会社があるため、グループ全体での社員の日本人比率は30%を切っており、2020年には社内の公用語を英語にする方針です。社員数711人(グループ連結3,654人)。

■テーマ:働き方改革・ライフワークバランスの実現と人間性尊重経営
当社は、社員一人ひとりの個性を尊重し、ライフワークバランスを図りながら、働きがい、生きがいを生み出し、社員や家族の幸福を追求する「人間性尊重経営」を掲げています。
社員一人ひとりの状況に合った働き方を実現する「働き方改革」を推進するため、残業削減・有給休暇取得推進のほか、4分の1有給休暇制度やライフサポート休暇制度を整えています。
そのほか、緑がいっぱいの中庭やBBQスペース、社内食堂、2019年に完成した厚生棟でボルダリング設備のあるフィットネスジムやIDECヘルスケアセンターの見学もしていただきます。
参考資料:人権・社員への取り組み http://jp.idec.com/ja/csr/hr/

. NTN (→REPORT)
■会社案内
大阪に本社を置く精密機器メーカーです。中でも、ベアリングは世界トップクラスのシェアで、その技術を活かしたハブベアリングは世界シェア第1位、ドライブシャフトは2位を誇ります。
NTNの商品は、世界有数の企業に選ばれ、自動車、鉄道車両、建設機械、航空機、医療機器をはじめとする多数の商品に用いられて、人々の暮らしを支えています。
NTNグループは、世界33カ国に約220の拠点をもち、2万人以上の従業員が、より良い商品の研究・開発・製造・販売・サポートに取り組んでいます。

■テーマ:ダイバーシティの推進について
当社の企業理念は「新しい技術の創造と新商品の開発を通じて国際社会に貢献する」。この企業理念の行動指針として2018年に「NTNスピリット」を制定しました。この中のひとつに「お互いの違いを受け入れ、尊重し合います」を掲げ、ダイバーシティをとても大事にしております。
労働人口の減少(日本)やグローバル化の進展など、当社を取り巻く社会構造や経済状況は、大きくかつ急速に変化しています。持続的な成長に向け「変革」に当社は取り組んでおり、この「変革」に向けた重要な戦略の一つがダイバーシティの推進です
ダイバーシティを推進することで、多様な価値観が融合し、柔軟な発想が生まれることが「変革」を加速させます。性別や国籍、文化、年齢、障がいの有無などに問われることなく、従業員ひとりひとりが、個人の能力を十分に発揮できる環境を整える必要があると考え、「多様性を理解し、受け入れ、価値を見出す」ダイバーシティ活動を推進しています。
今回の研修では、文化的背景の異なる社員が活躍する職場づくりをテーマに
・海外の事業場に勤務した日本人従業員の経験と気づき(海外トレーニー制度)
・本社(日本)に出向した海外従業員の経験と気づきの2つの面から体験談をご紹介致します。
参考資料:女性障がい者多国籍高齢者の採用促進http://www.ntn.co.jp/japan/ecology/employee.html

3.極東開発工業 (→REPORT)
■会社案内
特装車の製造とリサイクル施設の施工が当社の主な事業です。
特装車:建設、物流・省力、環境という日常のあらゆるシーンで活躍する特装車。当社は豊富なラインナップを揃え、特装車の総合メーカーとして社会を支えています。
リサイクル施設:環境保全が社会の大きな使命となる中で、当社は環境整備の製品開発に取組んできました。現在ではごみの回収・選別を行うリサイクル施設の実績をもつ日本のトップメーカーとして、環境保全に貢献しています。

■テーマ:海外のゴミ問題への貢献とリサイクルおよび資源循環への取組
弊社は、ゴミ収集車のほか、ごみ破砕プラントも手がけております。また、いずれも海外に向けた輸出も行っています。国内と海外では前提となる使用環境に違いがあります。海外の多様な環境での使用に耐え得る製品づくりなどの工夫・苦労について紹介したします。
また、弊社の環境事業部(ごみ破砕プラントを手がける事業部)では、畜産排水(糞尿含有排水)の処理技術を応用してバイオ発電プラントに関する事業をスタートさせました。まだ開発途上で「これから」といった分野ですが、温室効果ガスの削減や再生可能エネルギーの問題などSDGsに直接関係する内容で、興味をもっていただけると思います。
参考資料:極東開発工業のCSR http://www.kyokuto.com/csr/

4.ヒロコーヒー (→REPORT)
■会社案内
吹田市に本社を置き、吹田・豊中・箕面・伊丹を中心にコーヒーの焙煎加工・専門店の経営・豆の販売・ケーキ製造販売などをしている会社です。レインフォレスト・アライアンスコーヒーやフェアトレード・コーヒーなどのサステイナブル(持続可能な)コーヒーの取り扱いをしています。
レインフォレスト・アライアンスのマークをご存知ですか。「森林を守り、川や土や野生生物を保全すること、労働者に対して敬意を示し、まともな額の賃金を払い、作業に必要なものを与え、教育や医療の機会を提供すること」という条件を満たす農場に与えられます。つまり、自然環境の保全だけではなく、労働者を守ることも目的としています。
また、我が社が参加している日本オーガニック&ナチュルフーズ協会はオーガニックの取組みの目標として児童労働の禁止、植民地栽培の排除、南北格差の解消など、人を大切にする社会の実現も挙げています。
これらの目的を追求しながら、良いコーヒーを適正な価格で消費者に届けるのが我が社の仕事です。このために、我が社の代表はバイヤーとして、長年に渡って世界各地の契約農場を訪れ、農場主との対話・自然環境と労働環境の視察を行ってきました。

■テーマ:サステナブル(持続可能な、生産者の生活・環境を尊重した)コーヒーとは?
どのように確認し、仕入れ、販売しているのか、「良い生産と良い消費」を自由市場の中で実現するために、どんな課題がありどう取り組んできたか、についてお話しします。
参考ページ:環境活動レポートhttp://www.hirocoffee.co.jp/hiro/csr.html

5.マンダム (→REPORT)
■会社案内
アジアを中心に、「ギャツビー」「ビフェスタ」を主力ブランドとした男性・女性化粧品事業を展開しています。
さりげない、日々の生活場面の中にウォンツを見いだし、何か新しい、何か違う発見のある価値を提供することで、暮らしの中で「健康」、「清潔」、「美」を通じ、小さなときめきや前向きな晴れやかな気持ちになっていただくことがマンダムの「お役立ち」です。
未来は科学技術に支えられていく時代です。だからこそ、“人間”にしか成し得ない、人の心を思いやる気持ち、人の喜ぶ姿を思い浮かべて、“人間”の感情、情熱、想像力を大切にして、「生活者」に価値ある創造をしていきたいと思っています。

■テーマ:当社のCSR活動と環境への責任と取組
地球環境に関する問題には様々な要因が含まれています。例えば、森林の減少を1つとっても、単なる環境破壊というのではなく、気候変動に加え、人権や労働問題、生物多様性の問題、土地紛争など、様々な社会問題が含まれた複合的な問題であると言えます。また、発生している国々、それぞれでの個別の問題としてではなく、グローバル社会全体で解決すべき問題であるという認識になってきています。
マンダムにおいても、これら環境関連課題を、CSR重要課題のテーマの1つとして取り組んでいます。その取組の状況や取組における課題、目指すべき目標などをお話しするとともに、加えて、生徒の皆様からは、マンダムの取り組みに対する意見や提案、アイデア、要望など、いろいろな声がいただける対話の場にしたいと思っています。
参考ページ:CSR情報 http://www.mandom.co.jp/csr/

6.大阪ガス (→REPORT)
■会社案内
近畿248033町の約560万戸に都市ガスを供給・販売している会社です。この他、LPGの販売、電力の発電・供給および販売、ガス機器の販売、ガス工事の受注等をしています。社員数5,392人(連結20,224人)。(2019331日現在)

■テーマ:温暖化対策を中心とした環境への取組~実験集合住宅NEXT21の見学を通じて~
エネルギービジネスを中心に事業を展開する当社にとって、温室効果ガスであるCO2排出削減の取り組みは極めて重要な使命と考えています。天然ガスや再生可能エネルギー等の環境負荷の小さいエネルギーの利用促進や、環境に配慮した設備・製品・サービスの導入・提供を通じたCO2排出削減の取り組みについてご紹介します。
また、当社の実験集合住宅NEXT21を実際に見学いただき、時代に一歩先んじた居住環境・設備の実験について解説し、近未来の環境・エネルギー・暮らしについて皆さんと議論したいと考えています。
参考資料:実験集合住宅NEXT21 http://www.osakagas.co.jp/company/efforts/next21/

7.第一生命チャレンジド (→REPORT)
■会社案内
障害のある人を雇用するために設立された第一生命保険株式会社の特例子会社※です。東京の田端に本社を置き、大阪事業部を含め8事業部、18の職場に分かれて業務を行っています。
第一生命から委託を受け、印刷、書類の作成、事務補助、喫茶、清掃など幅広く業務を展開しています。社員数277名うち障害のある社員が203名の会社です(201941日現在)
※特例子会社とは「障害者の雇用の促進等に関する法律(障害者雇用促進法)」に定義される、障害のある人に配慮した子会社で、一定の条件を満たすことで親会社の障害者雇用率に算定されます。

■テーマ:社員とともに成長する会社―個性を活かす業務の創出・能力を引出す工夫
当社は、知的障害、精神障害のある方を中心にそれぞれの個性を活かして働けるよう幅広い業務を創出してきました。また、社員一人ひとりの能力と可能性を引き出すために職場環境や働き方の工夫にも取り組んでいます。社員育成では「任されるからやる気が出る」「チャレンジできるから成長できる」「認め合うから長所がいきる」「支え合うから仲間ができる」ので仕事が楽しい、夢が広がる会社です。
社員がどのような心構えで、どのような工夫をしながら業務を行っているか。また、どんなときにやりがいを感じるのか、実際に働いている社員からプレゼンテーションさせていただきます。楽しみにしていてください。
参考資料:会社案内http://www.dcha.jp/company/

8.日本電産 (→REPORT)
■会社案内
京都市に本社をおき、電気で動くあらゆるモノの部品として人々の豊かで快適な生活に欠かせない「モーター」をつくる「世界最大の総合モーターメーカー」です。  

■テーマ:仕事と家庭の両立支援とサプライチェーンへの責任
①仕事と家庭の両立支援
当社は、すべての社員が自己の能力を最大限発揮できる働きやすい環境づくりのため仕事と家庭の両立支援の施策として、時差勤務制度や在宅勤務制度など様々な制度を整えています。20184月には、社員のキャリア継続支援の一環として配偶者転勤休職制度を導入、カムバック制度(旧再雇用制度)を改訂しました。
②サプライチェーンへの責任
当社は、取引先と連携しサプライチェーン全体でCSR活動を推進しています。今年も弊社の活動から、「紛争鉱物」への対応についてご紹介します。電子部品の重要な原料であるタンタル、スズ、金、タングステンは武装勢力の資金源とされることがあり、「紛争鉱物」と呼ばれています。
米国は武装勢力への資金の流れを断つため、2010年に紛争鉱物の取引を透明化する法律を成立させました。当社は同法の趣旨に賛同し、 武装勢力の資金源となる鉱物が当社製品に使用されないように、お客様や取引先様と協働しています。
参考資料:
・女性活躍推進室長に聞く専任組織の発足と展望についてhttps://www.nidec.com/ja-JP/sustainability/social/employee/topic011/

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