2019年11月17日日曜日

秋休み企業訪問研修2019_4. ヒロコーヒー

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「秋休み企業訪問研修2019」レポート 4. ヒロコーヒー
■参加生徒のレポート
>ヒロコーヒーでは、環境に配慮した製品づくりと提供のための活動を行っています。安全な製品として認められるための国際基準はいくつかありますが、それを満たしたと認証を受けるためには生産者や企業からの出費が必要です。そのため、ヒロコーヒー独自のヒロサート(Hiro+Certification)という製品の基準を作ることで、コーヒー豆の安全性を認証しています。ヒロコーヒーでは農園との信頼関係に重きを置いており、製品の出来栄えに関わらず提携を結び続けることによって、正規雇用の増大を図っています。環境のグループで探究を進めるにあたり、ためになるお話をたくさん聞けて良かったです。

>今回の企業訪問では、主にサステイナブルコーヒーとは何かという具体的な説明とそれが社会にもたらす影響について、また、私たち若い者の今後のコーヒーに対する見方を変えてくださるようなコーヒーの意外にも深かった歴史、そして、ヒロコーヒーさんが行なっている取り組みを学びました。まずはじめに、サステイナブルコーヒーとは何かというお話で私が驚いたのは、サステイナブルコーヒーの取扱量です。ヒロコーヒーさんでは全体の70パーセントがサステイナブルコーヒーであり、これからこのパーセンテージをもっと上げていこうとしていると言っておられました。普通だったらサステイナブルコーヒーの割合は一桁台のパーセンテージだった事にすごく驚きました。比較して見ることで、よりヒロコーヒーさんのサステイナブルコーヒー取り扱いへの熱量を感じました。

次に、コーヒーの歴史を学びました。日本でコーヒーの流行「フォースウェーブ」があったという話を聞きましたが、私は全くそのことを知りませんでした。また、コーヒーが日本ではあまり人気ではないという事にも驚きました。欧米と比較するとコーヒーを飲む人の数も、カフェの数も違うことを知り、また何故このような事態になっているのか、欧米の歴史的背景に関係していると推測しながらお話を聞くことができて面白かったです。

最後にヒロコーヒーさんが行なっている取り組みをいくつか知りました。一番印象深かったのは、ヒロコーヒーさんが輸入先の方などとの信頼関係をとても大事にしているということでした。輸入先のコーヒー豆がもしその年にあまり豊富に摂れなかったとしても、そこから輸入するのをやめるのではなく、それでも豆を輸入するとおっしゃっていたのは衝撃でした。やはり、買い続けるという長く、先を見据えた行動が大切なんだということを学びました。

>サステイナブルな社会を作るためにどのようなことが必要なのかを具体的に説明していただき、実行されていることを知ることによって、より興味が深まりました。商品の品質はもちろん、輸入先の農家さんとの関係など、様々な面でこだわりを持ちながらも社会に貢献されていることを知り、私たちにできることはなにがあるのか、ということを考えるきっかけになりました。

>ヒロコーヒーさんの企業研修に行き、会社の方々が仰っていたことで印象に残ったことが二つあります。一つ目は、サステイナブルコーヒーの取り組みを続けるために農園の人々と信頼関係を築くことが重要だ、と仰っていたことです。ヒロコーヒーさんは環境と人権に配慮してコーヒーを育てている農園と契約し、消費者も、生産者も、自然環境も満たされた状態である持続可能なコーヒーを販売されていました。その持続可能な状態を保つために数年に一度農園を訪れたり、品質が少し落ちたとしても契約した農園のコーヒーを仕入れたりして、信頼関係を築いているそうです。そうすることで、契約農場の人々がより良いコーヒー豆をつくるために努力し、結果、品質の良い豆ができ、消費者によろこんでもらえる。それに見合った適正な価格を消費者が払うことで生産者の環境が良くなり、信頼が深まる。こういった風に持続可能な状態はサイクルになっていて、それぞれの繋がりなくしては、サステイナブルコーヒーは成り立たないことが分かりました。どこでどんな風に作られているか知らずに大量にモノを消費する現代はやはり間違っている、と思いました。

二つ目は、日本人はサステイナブルコーヒーを買う人が少ないということです。日本で売られているコーヒーのうちサステイナブルコーヒーは5%程しかないそうで、これは欧米と比べてかなり低く、日本人の意識の低さが目立ちます。私はこれは日本人の商品の捉え方に問題があると思いました。私たちは商品をただ単に安いか高いか、おいしいか否かのモノとして扱い、買っています。しかし、これでは持続可能な状態のサイクルは回らずどこかで終わりが訪れます。これからは、単なるモノとして買うのではなく、商品に生産者や自然環境などの背景があることを意識し未来もずっと良い商品を得るための投資として商品を選び、買う必要があると思います。

20年も前から生産地を意識してコーヒーを扱ってこられたヒロコーヒーさんの貴重なお話を聞けて本当に良い経験でした。今回学んだことを自分の探究課題や生活に生かしていきたいと思います。

>とてもためになるお話をたくさん聞くことができました。コーヒー豆の知識や、質の良いコーヒー豆を継続的に得るためにしていることなどとても興味深かったです。社長様の起業したときのお話はとても衝撃を受けました。とても人生のためになるお話が多く、この研修に参加してよかったなと思いました。ありがとうございました。

>今まで、サステイナブルコーヒーとは持続可能なことだとは知っていたが、何が必要なのかよくわからないままだった。だが、説明を聞いて、自然資源と生産者、そして消費者のサイクルが正しく回った状態で、コーヒーが作られ、売られるということなのだと分かった。また、それには消費者の理解が必要不可欠であり、欧米に比べて環境問題への意識が低い日本人も、興味を持って、サステイナブルコーヒーを買うべきだと思った。そのために、レインフォレストアイランスなどの認証マークを知ることが第一歩であり、どんどん広めていく事が大切だと感じた。また、ヒロコーヒーで取り組んでいる社内認証も、これから必要になってくると思った。

>私は今回の研修で様々なことを学びました。その中でもHIROコーヒーならではの学びを2つ紹介したいと思います。

一つ目は、主にコーヒーについてです。コーヒーを焙煎する工房に実際に入って、焙煎前のコーヒー豆や、焙煎機を間近で見せてもらったりしました。焙煎前の生のコーヒー豆は初めて見たのですが、意外にも緑色で驚きました。
 
二つ目は、持続可能な農業によって生産されたコーヒーこと『サステイナブルコーヒー』についてです。HIROコーヒーは工房がオーガニック製品加工の認証を取得していたり、サステイナブルコーヒーの取り扱い量が全体の70%を超えていたりするなど、これらの活動にとても積極的な企業です。私が一番印象に残ったのは、焙煎する方も社長さんもおっしゃっていた、現地の人々と信頼関係を築くには『質が悪い豆であってる取引し続ける』ということです。コーヒー豆は1年に1回しか取れないため、買い取ってもらえなければ1年間収入がないことになってしまいます。しかしコーヒー豆は農作物なので、気候変動など意図せずに品質が落ちてしまうことも多々あるようです。そのため不作時や、質が悪い時でも買い取ることがとても大切だとおっしゃっていました。

はじめて聞く話が多く、とても興味深い研修でした。ありがとうございました。

>私の行った伊丹いながわ店はカフェ・販売・コーヒー工房のあるお店で、コーヒー工房で焙煎したコーヒー豆がその日のうちに店頭に並ぶそうです。また、ここは、他店舗へ送るための豆の焙煎も行っている数少ないお店だそうです。

ヒロコーヒーさんのコーヒー豆は全体の70%がサステイナブルコーヒー(サステイナブルな農業(持続可能な農業)によって生産されたコーヒーのこと)だそうで、生産履歴が追跡可能で、環境に配慮したものが主流となっています。社長さんが生産履歴の追跡がしたいためにサステイナブルコーヒーをはじめたそうです。この取り扱いを増やすことが、生産者にとっても、自然環境にとっても、発展的に生産を続けられる環境となり、持続可能な社会の実現に貢献することができます。

しかし、日本人はサステイナブルへの興味が低く、北欧人はサステイナブルへの貢献が多いことがわかりました。社長さんがそのことは北欧の植民地支配の反省から来ているのではないか。とおっしゃっていて納得しました。
さまざまなお話を聞き、会社は単独で成り立つのではなく、たくさんの人やものとの信頼関係でできていると知りました。

この研修から自分の将来の仕事についての考え方が変わりました。初めてこういうものに参加しましたが充実したものになりました、ありがとうございました。

>サステイナブルな貴社の企業方針にとても感銘を受け、私も将来貴社のような会社で働きたいと思いました。また、社長が中学校卒業後独学で経営を学び起業したと知り、自分にもできるのではないかと未来の選択の幅が広がりました。私もサステイナブルなコーヒーを買い、環境や作っている人に配慮をしたいと思います。

>今回、この企業訪問研修を受けてとても良い経験になったと思いました。サスティナブルコーヒーの詳しいことを知ることができとても良かったです。また、現在日本でのコーヒーの消費量が少ないということを知りました。また北欧の地域では1日にマグカップでコーヒーを5杯くらい飲んでいるということを聞いて驚きました。今回のこの体験での知識をまた他のことに繋げていけたらいいなと思いました。

■引率教員から
CRS担当の方による「サステイナブルコーヒーとは」の講演のあと、コーヒー工房見学させていただき、最後に代表取締役社長山本氏による講演「私たちのミッション」がありました。

工房で実際のコーヒー焙煎の様子も見ることができたことに加え、CRS担当の方と社長さんの話では観点の違う話を聞くことができたので理解が深まりました。特に社長様のこれまでの様々な体験の話は、その人柄も相まってとても興味深いものでした。

■企業のご担当からのフィードバック
皆様のレポートを拝見させていただきました。短い時間ではありましたが、たくさん学びを得ていただけたこととても嬉しく思います。サステイナブルコーヒーはまだ馴染みのない言葉ですが、サステイナブルコーヒーや農園の方のことを皆様に少しでもお伝えでき嬉しかったです。

HIRO CERT(ヒロサート)の認証の目的や意味をこれからもっとお客様に知ってもらうため、そしてこの取り組みを通じて、持続可能な社会の実現に向けてこれからも邁進し続けていきます。

ここで聞いた話が、皆様がこれから社会で過ごしていく中で何かのきっかけとなり、新たな世界を広げる一つになることを願っています。またいつでもお店に遊びに来てくださいね!