■講 師 猪口絢子氏(大阪大学大学院 国際公共政策研究科 比較公共政策専攻博士前期課程2年生)
■実施日 7月7日(金) 13:10~14:20
■ねらい
・「グローバルな企業活動の人権への影響・人権侵害予防のための国際的取り決め」について認識を深める。
・グローバルな課題には研究者という取組み方があることを知り、将来の進路について視野を広げる。
■形 態 国際文化科1年生全員(160名)対象に, 4クラス合同で視聴覚室で実施。
・事前指導
1) 6/27国際交流委員会
・国際文化科の生徒が世界により興味を持つための橋渡し役であることを伝える。
・事前と当日の仕事を説明。
2) 6/29LHR
・国際交流委員が「アフリカクイズ」実施。(アフリカに対するイメージを集計後、講師に伝える。)
・当日の流れ:
1)「紛争鉱物入門」(Enough Project日本語字幕付)の映像上映(約5分)
2) 講演(前半は研究の紹介、後半はインタビュー形式)
3) 質疑応答
■内 容
・アフリカ・コンゴにおける紛争鉱物への取組みに関する研究、イギリスの大学院での留学、研究生活(国際会議での交流や現地でのインタビュー調査など)について紹介をしていただいた。
・国際社会が決めたルールが、当事者である現地の人々にとってどのような意味(=「ストーリー」)を持つのか、国連や「欧米・先進国」にとっての意味とどのようなズレがあるのか。研究者として、立場によるズレを常に意識し、当事者にとってのストーリーを描いていきたいとの思いを語って下さった。
皆さんのアフリカに対するイメージは? |
メモを取りながら聞いています。 |
「構造的暴力」など専門的な話も |
ルワンダの町の様子 |
ルワンダの虐殺についても説明がありました。 |
質問の時間に入りました。 |
委員からの質問に続きフロアからの質問 |
質問が続きます |
メッセージは?:「国際」を考える時には、 西側諸国・先進国を前提としたストーリーになっていないか 気をつける必要がある。 |
国際交流委員の皆さん、司会進行ご苦労様でした。 |
■参加者アンケートから
Q1. 世界の現状について、知らなかったことで大切だと思うことはどんなことですか。
1.「紛争鉱物」の言葉の意味は今日まで知らなかったのですが、まさか私たちの使っている便利なモノの材料が、鉱物を採る現地の人々を苦しめているとは思いませんでした。また、アフリカ大陸で虐殺があったことは知っていましたが、あんなに大量の人が殺されていたとは思いもしませんでした。
2.“紛争鉱物”について深いところまで知らなかったし、自分たちの無関心な気持ちから鉱物の原産地の方々を苦しめてしまっていることも初めて知りました。猪口さんの「遠い所だけど、かわいそうで終わらせたくない」という気持ちが大切だなと思いました。
3.初めて深く虐殺ということについて知ることができた。
4.今、アフリカのことでいろいろ政策をたてられているけど、その政策はヨーロッパの人の考えが中心になってしまっていて、現地の人々たちの考えはなかなか反映されていないこと。
Q2. あなたが生きていく上で「勉強になった」と思うことはどんなことですか。
1.猪口さんと同じようなことに興味があるので、猪口さんのように一つのことを研究したいと思った。
2.進路についてまた選択肢が増えた。
3.私は、「国際文化」科で勉強しながら、語学にしかほとんど焦点を合わせていませんでしたが、今回の講演を聞いて、もっと“グローバル”な眼をもって世界中の先進国も途上国も、良い所も悪い所もたくさん学びたいと思いました。
4.世界は、自分が思っている以上に残酷で平和じゃないのだと思いました。アフリカは全体的に、平和じゃないと思っていたけれど、そんなことなかったということ。
Q3. 覚えておきたいと思ったキーワードとその理由は?
・ 植民地構造は、まだなくならないということを覚えておきたい。自分は、ずっと平和で経済が良い国で生活をしているけど、世界の他のところでは、生活できない人もいるということが私は気になる。
■取組を終えて
・司会進行やインタビューを国際交流委員が担当したことで他の生徒が触発され、質問が次々と出た。
・直後に取ったアンケートも内容の濃いものが多く集まった。世界や将来について視野を広げるよい経験となったことが読み取れた。