1年生対象 「国際理解」特別授業(1)
「高校生の日常と国際的な課題のつながり 〜チョコレートと児童労働〜」
■講 師 松岡秀紀氏(一般財団法人アジア・太平洋人権情報センター特任研究員)
■実施日 6月20日(6,7限)、22日(5,6限)
■形 態 国際文化科1年生全員(160名)対象に, 「国際理解」の授業で, クラス単位で各1時間
今年度はグループワークを取り入れるため、図書室で実施した。
■ねらい
・日本の高校生の日常生活が国際的な課題とつながっていることを知る。
・課題の解決のためにNGO・企業・国際的な枠組みによる取組があることを知る。
大きな机でグループワークができるように図書室で実施しました。 |
今回のテーマは、「チェーン:つながり」。 |
「このチョコレートを買ったことのある人はいますか?」 |
箱の裏には児童労働をなくすための取組みの説明が書かれています。 |
児童労働は、SDGsのどの目標と関連するかグループで話し合っています。 |
※SDGsとは?→ヒューライツ大阪 「持続可能な開発目標(SDGs)のめざすもの」
グループで話した結果と、そう考えた理由を発表しています。 |
■受講者の受けとめ
Q.1 あなたが「勉強になった」「そうだったのか」と思ったのはどういう点でしたか?
・自分がバリューチェーンを通して「世界」とつながっていること。自分が見ようとしないと見えない「現実」もあること。
・フェアトレードという言葉は知っていたが、実際何が行われているのかよく知らなかったので、アフリカのカカオ農園で働く子供たちを見て、現実を知れたことが勉強になったと思う。
・児童労働者が、日本の全人口を超えるほどいること。企業の社会的責任の意味が分かったこと。個人と世界は互いに影響を及ぼし合っていることを具体的に理解できたこと。
・私たちがチョコレートを食べるために子どもが働いているのが問題だけど、「チョコレートを買わない=その子たちが幸せ」とは限らないというのがすごく難しい問題だと思った。
・今回の授業で、国連が世界を変えるための17の目標を定めていることを初めて知りました。私は、とても国連などの国際的な活動に興味があるので、今回の授業はすごく楽しかったです。
・どんな進路をえらんでも(NGOとか国連とか直接そういうものじゃなくても)国際的な問題を解決していくための機会があるということ。
Q.2 あなたのこれからの生活に変化が起きるとしたらどんなことでしょうか?
・フェアトレードの商品を買う。ボランティアに参加する。募金に参加する。
・発展途上国で作られている食べ物の原料についてもっと知り、知識を深めていきたいと思う。
・買うだけで寄付できるとか、そういう小さなことからでも、世界の誰かの役に立てることを積極的にしていきたい。
・できるだけCSR活動が盛んな会社の商品を買うよう務める。
・少しでも世界で起きている課題について考えて,できることを積極的に始めようという気持ちになった。
・もっと世界に目を向けて行動できるようになること。
・明日からできることだったら、少しでもニュースを気にするとかだと思う。時間をかけてやることだったら、世界にすこしでも貢献できることを探してやる。
・もっと英語を得意になって、世界に訴えたい。
■取組を終えて
・チョコレート菓子やカップ麺など生徒の身近にある製品と、児童労働や環境問題などの国際的な課題とが深く関わっていることを、具体的な事例を挙げて紹介していただいた。また、「1チョコfor1スマイル」の取り組みなど、企業とNGOが連携して国際的な問題に取り組んでいることを紹介していただいた。
・市民セクター・企業セクター・政府セクターという社会構造の視点を提示していただき、生徒の将来に向けた活動の方向性についても示唆を与えていただいた。
・昨年の内容に加えて、SDGsの各目標と今回の話がどう関連するのかについてもワークを通して生徒が考える機会を与えていただけた。