学習成果発表会「千里フェスタ」の初日である2月2日木曜日に国際シンポジウムを開催しました。
例年、文系理系双方に関わる社会課題をテーマにしています。今年度設定したテーマは「自然災害と防災」です。生徒・留学生による4つの英語での発表と質疑応答のあと、気象災害の研究者から最新の知見を紹介していただきました。
- 総合科学科2年生「科学探究」の研究発表
- To prevent sediment disasters (土砂災害を防ぐには)
- 金尾優希さん、木村拓海さん、松山瑞希さん、本間仁さん
- 国際文化科2年生「探究」の研究発表
- How can we ease children’s stress during evacuation? Let’s spread happiness together through play! (避難所にいる子どもたちのストレスを緩和するには ~私たちから遊びの輪を広げよう~)
- 宮下莉央さん、木下和花さん
- タイからの留学生による報告
- Natural Disasters in Thailand(タイにおける自然災害)
- Ponrakun Tritsanawasuntra さん
- ドイツからの留学生による報告
- Natural Disasters in Germany(ドイツにおける自然災害)
- Marie Boger さん
- 京都大学防災研究所 竹見哲也教授
- 「自然災害の世界的な状況と防災研究の多様なアプロ―チ」
生徒の「振り返りアンケート」から
(A)双方の学科の発表を聞き、プラスになることはありましたか?それはどんな点ですか?
- 災害に対して科学科はまず被害を出さないということ、文化科は起きたあとの対応で様々な面から災害に対してアプローチする必要性について学びました。(総合科学科2年)
- 災害について先行調査からフィールドワークなどを通して行う国際文化と、自分たちで実験を行い検証する総合科学という2つの側面と海外事例を紹介してくれるマリーさん、フィールさんの二人も相まって全体が多角的に捉えられた。(国際文化科2年)
- 両学科の特徴を生かして災害に向けて研究したところが興味深いと思いました。総合科学学科の先輩方は、災害を止める方に研究を進めてていて、私の想像を超えた提案をしていて、なるほどと思いました。国際文化学科の先輩方は、災害の被害者の支援に向けての研究を進めていて、将来自分も実践してみようと思うことを思えた発表でした。(総合科学科1年)
- 国際文化科では実験を行うことがないので、その過程を知ることができたこと。(国際文化科2年)
- 心やストレスといった数字で表わせないもののケアも大事だということ(総合科学科1年)
- 災害を防ぐためには論理的な数学的な考えが不可欠であることと同時にそれをより多くの人に共有するために英語を用いて話すということはとても有効なことだと思いました。(国際文化科1年)
- 自然災害に対する様々な視点からの研究にたくさん触れることができた。一つの物事に対する見方について知ることができた。(総合科学科1年)
- 国際文化科と総合科学科の発想を組み合わせることが大事だということ。(総合科学科1年)
- 科学科と文化科では探究のテーマがそもそも別物だと思っていたけれど防災について考えると別の視点からいろんことを考えられてすごく面白いなと思いました。(国際文化科1年)
- 文化科、科学科それぞれの視点の発表にも共通点、相違点があり、将来何かの問題に取り組むときに様々な視点で考える必要があるとわかったこと(総合科学科2年)
- 科学科の地すべりの実験のトライ・アンド・エラーでは国際科にはあまりない考え方を知ることができた。(国際文化科2年)
- 探究の内容は科学探究では行わない内容だから知らないことも多く理解が深まった上に興味が湧いた。(総合科学科2年)
- 国際科の実際に行動を起こしインタビューや体験をするというのが科学科とは異なる点でこういう活動によって探究を深めているのかと感じた。科学科でも実際に自分たちが研究するときに、そのテーマに精通している大学の方にお話を聞き知見を深められたらいいと思った。(総合科学科2年)
(B)「タイ・ドイツにおける自然災害」の発表は興味深くきけましたか? それはどんな点ですか?
- 地震を恐れる日本と違い、特に水害の影響が顕著な他国の例を知ることができ、とても興味深かった。各国の対策なども日本と似ていたり違ったりしているため、より深まった。(国際文化科2年)
- タイやドイツでは、環境や立地の違いから日本では経験できないような災害があることを知ると同時に、日本の気候の特徴を改めて感じた。(国際文化科1年)
- タイの自然災害についての話では、日本のように災害の多い国としての苦労や対策を聞いて、興味深いと思いました。ドイツの自然災害についての話では、自然災害があまり起こらない国でも地球温暖化の影響によってもっと起こることがあるので、これから万全の対策をすべきだと実感しました。(国際文化科1年)
- タイでは台風や洪水の問題を学校教育の一環として取り入れていることを知って、国によって災害に対する取り組み方や意識が異なるのだと気付かされました。(国際文化科1年)
- Marieさんの発表の仕方がとても美しく、気候変動が災害に影響されているという主張を聴衆に訴えているように感じました。(国際文化科1年)
- 英語の発音などももちろん勉強になったけど、この2つの発表の発表者はとても堂々と話していたので、スピーチの仕方についてためになることがたくさんあって、関心をもって聴くことができました。(総合科学科1年)
- タイで起こっている自然災害は、洪水と台風でした。とくに印象に残ったのは、洪水が起こった際には、泳げるくらいまでの水の量が道路にあるということでした。洪水と言っても、道路に少し水が張っているだけかと思っていたので、びっくりしました。ドイツでは、もともと自然災害等がなかった国なのに、地球温暖化が起こっているせいで、年々自然災害が増えているということにびっくりしました。特に、嵐によって看板等や家が崩れ落ちているのを見て、とても危険だなと思いました。(国際文化科1年)
- 日本だけでなく、世界各国自然災害の影響を何かしら受けることを発表を直接聞くことで実感し、地球温暖化防止に対して再度注目するきっかけになったこと。(総合科学科1年)
(C)国による多様性あるいは共通点を意識する気持ちが強まりましたか?それはどんな点ですか?
- それぞれの国特有の課題を知ることができて、以前よりその国に興味を持てるようになった。(総合科学科1年)
- 日本以外の他の国の災害情報をあまり気にしたことがなかったのでいい経験だった(総合科学科2年)
- 海外の自然災害についてはほとんど知らなかったので日本以外にも被害が大きい国があることを知った。(総合科学科2年)
(D)英語での発表と質疑応答を経験し、英語への意識は変わりましたか??それはどんな点ですか?
- 英語がわかれば世界の人と様々な意見交換できるということがわかった(国際文化科1年)
- タイドイツの留学生の話を聞けたことが、よかった。英語を使えばタイやドイツの人の伝えたいこともわかるのだなと感心した。(国際文化科1年)
- 英語を勉強することで国と国との間での問題共有や解決策の共同施行が行えると知った。(国際文化科1年)
- 発音や文法より、心にある言葉を相手に稚拙でも伝え、意見交換することが大切だと感じた。(国際文化科1年)
- 国際性を高めるには英語が必須で自分も頑張らなければならないものだと感じた(総合科学科2年)
- ドイツとタイはどちらも公用語が英語ではないのにも関わらず共通の英語を使ってのコミュニケーションを取ることができるのはすごいことだと思った。もっと、使えるようにしたいと思った。(総合科学科1年)
- 自分自身も英語での発表などで英語力の向上をしてみたいと思った。(総合科学科1年)
- 国ごとに発音の癖があったり、表現の仕方に少し違いがあるということを体感しました。ただ原稿を読むのではなく、英語を用いて相手に伝えるということがされていて、シンプルにすごいなと思いました。(国際文化科1年)
- すべてのやり取りを英語で行うことによって、理解しようと聞き入るのでとてもいいなと思いました。私も、伝えたいことを英語で伝えられるようにしようと思いました。(国際文化科1年)
- 英語で質疑応答しているのを見て、国際交流とかはこんな感じなんだなとわかった。(総合科学科1年)
- 自分と同じくらいの年齢の人でもスラスラ英語を喋っていてすごいと思ったし、来年は自分もこれくらい英語を喋れるようになりたいと思った。(総合科学科1年)
- 千里高校に入って授業では当たり前に英語を使いますが、授業外で英語を使うのは初体験ではないかもしれないけど一番国際文化科らしいことだと思いました。私も来年英語で発表したり、ディベートしたり国際文化科が設置されている高校に入学したからには英語をもっと身近に使用して行きたいなと思いました。(国際文化科1年)
- 英語の要約から内容を理解しようとし、英語に触れようとする意識が高まった。(総合科学科2年)
- 英語を伸ばす方法は経験が大事だと思うので、来年は壇上で発表したいと思った。(総合科学科1年)
- 留学生の二人は、発表しているときに身振り手振りを使ったりして引き込まれるものが多かったように感じる。 英語で話すときは、語句と語句のつなぎ目をいかに不自然に区切らないかでうまくなるなと思った。(国際文化科2年)
- 日本語訛り、タイ語訛り、ドイツ語訛りの英語に触れて、どれも聞き苦しいものではなく、個性的で誇るべきものだと感じた。(総合科学科1年)