2022年11月13日日曜日

2022.11.10-11. 国際文化科2年「探究」 大学院生・大学生による個別論文指導

 千里高校の国際文化科2年「探究」の授業に大阪大学の大学院生・大学生のべ23名を招いて、個別論文指導をしていただきました。

4月のテーマ設定から始まり、夏休みを中心に行った取材や調査の結果をまとめ考察を加えた段階が現在です。この段階で重要になるのが、論理の流れに問題がないかを点検し、問題があれば再構成を行うこと、また、考察に基づいて次の調査を構想することです。今回の指導はこの部分を中心にお願いしました。

授業の基本的な流れは、次のように設定しました。

  1. スケジュールの確認等 5分
  2. 大学院生・大学生指導者(TA)の自己紹介(専攻について、簡単に研究内容も話してもらう。)5分
  3. TAから全般的なアドバイス 5分
  4. 個別指導 1周目 担当4件の場合=10分×4
  5.   〃   2周目 5分×4
  6.  まとめ(共通する指導後アドバイスを話してもらう)5分

TAの皆さんには生徒のレポートを事前にお送りし、あらかじめコメントをつけていただいた上で、補足説明や生徒からの質問への対応を行っていただきました。





生徒の「振り返り」から、生徒たちがこの指導をどのように受け止めたのかを紹介します。普段対話している担当教員以外の方からの「セカンドオピニオン」をもらうことにより生徒の熱量がアップした様子がうかがえます。

  • 今回大学生の方にアドバイスを頂いて、自分たちのできているところと改善点を明確にすることができました。論文のまとめ方も教えていただけたので良かったです。 
  • 具体的なアイデアを教えていただいてとても助かった。より、今から調べていくことが明確になった気がした。これから調べていくことが、内容に沿っているかとかを聞くことができたので、もっと具体的に行動していきたい。この研究をよりよくしていくための方法がわかったのでこれから調べていくのが楽しみ。 
  • 第三者の目線から意見をいただけてとても参考になった。順序を考えて構成し直してまとめていこうと思う。 
  • 自分一人では行き詰まって悩んでいたところを解決に導いてもらったり、気付くことができなかった視点からのアドバイスを頂いた。今後やるべきことが更に明確になったと思う。 
  • 自分の論文を読んでもらって意見を聞けてよかった。中間発表のときとは違い、文章だったので文の繋がりなども見てくださったのがありがたかった。自分の調査が行き詰まってしまっていたけど、今回のお話を聞いて今後どうするか大まかに決まったので良かった。
  • 次は年末までのレポートを再度見ていただくことにしています。 

    <この行事は、三菱みらい育成財団からの助成を受けて行いました。>

     

2022年11月3日木曜日

2022.10.21.  国際文化科2年生の課題研究「探究」中間発表会を開催

 本校では、2年生の課題研究「探究」(国際文化科)・「科学探究」(総合科学科)の校内発表会を年に2回、10月と2月に行っています。このうち10月の中間発表会を21日の午後に開催しました。

国際文化科の「探究」では、例年行っている代表発表12件だけではなく、今年度初めて代表以外も全員が発表する形式を導入しました。また、従来の1年生に加え、3年生も聴衆や助言者として参加しました。

代表発表では、12ある講座から講座内発表を経て選ばれた代表が視聴覚室で研究の報告をします。助言をいただくコメンテーターには、大阪大学大学院人間科学研究科附属未来共創センター 特任教授の榎井縁様と中西金属工業株式会社サステナビリティ戦略部 未来共創室の岡田満菜美様をお迎えしました。





代表発表以外の発表は、9教室に分かれ、6,7人の小グループの中で、グループを変えながら各研究3回ずつ発表を行いました。発表後には、全員からコメントもらい、また、コメントを記入したカードをもらうという形式としました。また、それぞれの教室には大阪大学から合計17人の大学院生・大学生をティーチングアシスタントとして迎え、研究の先輩としての立場からの助言をお願いしました。

また、今年度は発表を振り返る際に利用するワークシートを「探究」「科学探究」で統一しました。

生徒の感想からは、コメンテーターのおふたりから、TAの大学生・大学院生から、生徒間でたくさんの学びがあったことがわかります。

先輩方の発表を聞いて、見本にするところやそれに対する意見や提案をきくことで来年の発表をどうすればいいかがわかった。コメンテーターの方々のはなしもきき、発表時に気をつけなければならないことが分かった。

コメンテーターの方に言われたことは、今後の自分の探究の指標になっていきそうなことが多かったので、こういうふうにやっていこうという目標ができた。

コメンテーターの先生の話を聞いて、表題と結論のずれを無くすというのが研究発表をする上で大事なんだと感じた。 二年生の発表をいくつか聞いて、特に話の内容がわかりやすく聞こえた発表に共通するのは、仮説と根拠がどれくらいしっかりと考えられているかということだ。仮説と根拠がしっかりしていると、実際に行う調査の内容がより深まって次につなげるための考察が十分にできていると感じた。また、発表の流れもスムーズになるので、来年の探求の活動のときに気をつけようと思った。

探究発表では課題を見つけてからそれについて調べる方法が自分では思いつかないような方法があったので自分が探求発表をする際に参考にしようと思った。三年生コメンテーターの人の感想で自分にはなかった考えを聞くことができて参考になった。

コメンテーターの方のアドバイスは自分がこれから成長していくうえで、とても為になるものだった。自分の考え方や主張に持っていくための根拠や動機など、聞いている側が欲する情報を理解できた。

スライドをどのように作れば見やすいのかや、インタビューをすることで発表により信憑性が出でくるなと実感しました。 また、コメンテーターのお二方が仰っていた通り、自分もはじめに提示した問題からそれてしまう事があるので、気をつける必要があるなと感じました。

研究の内容はもちろん、研究の進め方や発表の仕方など多くの面から得られるものが多かったと思う。コメンテーターの方々や3年生からのコメントは自分にはなかったものの見方で、それも面白かったし学びにもなったと思う。

コメンテーターの方から子ども食堂の支援や食品ロス対策をしている企業について教えていただけたので今後の参考にしたい。また、グラフも導入してわかりやすいスライドを作りたい。

思っていたよりもレベルが高くて驚きました。コメンテーターの先生方も仰っていたように論理的に探究することを忘れないこと、経緯をしっかり示すこと、前を見て発表することを来年意識して取り組みたいなと思いました。

自分の考察のプロセスを示すのが大事だとわかった。その問題に対してどれだけの思いを持っているかを語りかけるように話して伝えるのが大切だとわかった。また、結論が仮説と変わるかもしれないと思ってやると、面白いし、新たな発見につながると、コメンテーターの方がおっしゃっていたから、仮説に縛られすぎないように探究活動を進めていこうと思った。

今回全体を通して思ったことは、まず先輩方の発表の上手さにとても驚かされました。課題に対する対策も大雑把なものではなく、とても具体的に書かれているのが印象的でした。対策も発想力が豊かで素敵なものばかりでした。また、実際に人や企業に直接問い合わせをしたり、質問をしている方も多く、本当に圧倒されました。しかし、その中でもコメンテーターの方のアドバイスがあり、もっと具体的にこの部分について話したほうがいいなど、それを聞くと確かにそのようにするとより良くなるなと学べるところがあり、自分も積極的に学んだことをこれからの発表の場などで使用していこうと思いました。次に教室会場では、私はなかなか発表をしてくださった先輩にアドバイスなどができなかったのですが、周りの人は様々な観点からアドバイスを行ったりしていてとても驚きました。自分は、なかなかこうしたほうがいいなどのアドバイスを色々な観点から考えたりすることが苦手なのですが、何度もたくさんの経験を行っていって、周りの人達のように様々な観点からたくさんのことに気づける人になりたいです。今回の探究中間発表では学べるところがたくさんありました。これを生かして、発表の場などでみんなに素晴らしいと思ってもらえるようなものを作っていきたいです。

コメンテーターの方のアドバイスが的確で研究のイメージが膨らんだ。研究を進める中で、課題や課題解決のために何を知り、何を思ったかが大事だと思った。

今受けている探究基礎の授業の内容を活かし、自分で定めたテーマについて深く掘り下げることは本当に大変なことだと思った。先輩方が真剣に取り組んでいる姿を見て、本当に自分も来年できるのか少し不安な気持ちにもなったけれど、TAさんやコメンテーターさんの話やアドバイスを聞いて、大体の重点的にすべき項目については理解できた気がする。独創性があり、聞き手に発見を与えられるテーマを見つけられるように、視野を広く持ちたいと感じた。

代表者の発表を聞いて、どのグループも研究に筋が通っていたと思いました。筋が通っていると、研究テーマからリサーチクエスチョン、仮説、考察とスムーズにまとめられていました。発表が頭に入ってきやすかったのは、テーマやリサーチクエスチョン、仮説の根拠が十分だったり調査が身近なもので自ら参加したりといったグループの研究でした。コメンテーターの方から、多くのグループはテーマと考察がずれているということを学びました。論文づくりのポイントとして数値の母数はいくつか、引用元はどこなのか、研究論文をたくさん読むということも知りました。また自分の研究発表を通して、スライドでの説明不足の部分や根拠が不十分な部分に気づくことができました。TAさんからは研究の不明瞭な部分などを厳しく指導していただき自分の発表をよりよくしていきたいと感じました。

今回、講座代表として発表して、コメンテーターの方に、自分たちの探究活動について興味を持って頂けたのはとても嬉しかった。

今回はじめて大学の先生に話を聞いてもらい貴重なお話を聞くことができてとても良い経験をすることができました。また他の人の発表を聞いてみて自分がいかに調査不足だったか痛感しました。今回のアドバイスから、次は行政との関わりや主題と最後の終わり方がつながるように話を進めたいと思いました。正直なところ自分にとって悔しいな痛いところを質問されたなという気持ちが多かったので次はよりみんなに納得してもらえるような良い面白い研究がしたいです。今回このような場を設けていただき、実際にアドバイスコメントをしてくれたお二人の方に感謝したいです。

1年生の意見、TAさんからの新たな知識は全て目からウロコの情報ばかりで、自分たちの発表原稿やスライドの穴が色々見つかって、これからの探究に活かせると思いました。 また、一年生から思いがけない質問がでてきて、自分も固定概念を外せないで探究を行っていたなぁと反省が見つかりました。

常になぜ?という疑問を持ち続け、極めていくことが探究において重要なのではないかと感じました。阪大のTAの方の質問がすごく参考になったので来年も来て頂きたいです。

他の人に見てもらうことで今までとは違う新たな意見を取り入れられると思った。 TAの方に指摘してもらったことはどれも核心を突くもので勉強になったので今後に生かしていこうと思う。

1年生や3年生からとても興味深いコメントを頂いたり、大学生の方からもアドバイスを頂いたのでより探究が進みそうだと思った。

今回の中間発表で、主に3年生大学生・大学院生の方々から具体的なアドバイスをたくさんいただいてこれからの探究に活かせそうなことが多くあって今後それらに基づいて調査を進めていきたいと思った。

発表の内容や方法、構成に至るまで学ぶことが多かった。 色々な研究テーマがあって、聞いているだけでも面白かった。大学生の方々の鋭い指摘は非常にためになった。

実際に大学生3年生から貴重なメッセージを頂いて、これからの探究の授業に生かしていきたいととても思いました。

9つの発表を聞いていく中で、「こういうときはこうするんだ」「こういうことを意識して調査するんだ」という次に自分が探究を行う時の注意点などを要所要所で発見したり気づくことができた。それぞれの発表がそれらの具体例になってくれたり、三年生の先輩方や大学生コメンテーターの方々の意見からさらにそれを深めたり自分で気付けない発表、研究の要点が聞けてとても楽しみになった。

1年生:「とてもある」132人中91人 69%
2年生:「とてもある」119人中95人 80%
3年生:「とてもある」  70人中25人 36%
(国際文化科各学年4クラスの中で回答のあった生徒の集計)

2回目の課題研究校内発表会は、2月2日~4日開催の学習成果発表会「千里フェスタ」の中で行います。参観受付については、後日学校HPでご案内する予定です。

<この行事は、三菱みらい育成財団からの助成を受けて行いました。>