文部科学省が主催する「2019年度全国高校生フォーラム」が12月22日(日)に東京国際フォーラムにおいて開催されました。このフォーラムは、SGHやWWLの各事業に取り組む全国の高校生たちが、日頃取り組んでいるグローバルな社会課題の解決に向けた提案や研究成果等を、英語でのディスカッションやポスター発表などにより発信する場です。
本校からは、国際文化科2年生の野瀬さんと三木さん、そして「アジア高校生架け橋プロジェクト」の留学生として本校で学んでいるカンボジア出身のワタナーさんの3名が参加しました。この3名は、10月に本校で開催された「国際シンポジウム」でも、代表として英語による発表を行っています。野瀬さんと三木さんは午前のポスター発表と午後の分科会、ワタナーさんは午前・午後とも分科会に参加し、英語で全国の高校生と交流しました。
10時からの開会式に引き続き、野瀬さんと三木さんは4分間のポスター発表を2回行いました。2人の研究テーマはHow can we protect creatures from marine pollution caused by plastic bags?です。開会式後すぐの発表だったため、多くのギャラリーを前に2人はとても緊張しており、1回目のポスター発表は少しぎこちなさが目立ってしまいました。けれども質疑応答では、審査員の先生や観客生徒からの英語の質問に落ち着いて答えていました。同じテーマを研究している他校生からも質問が出され、海洋プラスチック問題への関心の高さがうかがえました。2回目の発表は少し余裕が出て、声や目線にも気を配ることができていました。
▲ポスター発表は多くの観客がいて緊張していましたが、質疑応答には落ち着いて臨めました。 |
質問の内容は、「日本でプラスチック袋に課税することは有効な手段か?」「どんな環境教育が求められていると思うか?」「なぜこの問題に関心をもったのか?」「あなたの学校の生徒はこの問題に関心をもっていますか?」などでした。審査員の先生の質問内容からは、このフォーラムでは単に研究成果を発表するだけでなく、「グローバルな社会課題に対し、高校生がどう考え、どう行動するか」が非常に厳しく見られているとの印象を受けました。
▲使用したポスター |
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午後のテーマ別分科会では、本校の3名はNatural Environment and Our Daily Lifeに関する分科会に参加しました。「持続可能な開発のために、何が問題なのか? どんなことが起きているのか? なぜその問題が起きたのか? それを解決するために何ができるか?」をすべて英語で話し合うというテーマが与えられました。まず5~6人の小グループでディスカッションし、グループのメンバーを入れ替えて話題を共有し、最後にグループの話し合いを代表者が全体に報告する、という形式で分科会は進みました。
▲6グループに分かれて活発に討論しました。本校生徒も楽しそうに話をしています |
この分科会では、留学生のワタナーさんが活躍していました。グループの中で率先して話題を切り出し、メンバー全員が発言して議論が進むよう、リーダーの役割を果たしていました。ワタナーさんが非常に明瞭な英語で、力強く話をするそのパワーが同じグループのメンバーに確実に伝わっており、皆がいきいきと話をしているのがとても印象的でした。あとの2人も、同じグループの生徒と楽しげな表情で意見交換をしていました。
▲ワタナーさんが討論をリードしています! |
閉会式では優秀校が表彰され、舞台上でそのポスター発表を聞くことができました。優秀校の生徒は皆、非常に流暢な英語で発表しており、何よりメッセージ性がありました。「高校生として自分たちはこう考え、このように行動した、今後はこうあるべきだ」ということが明確に伝わる発表で、千里フェスタに向けて、「探究」に取り組む本校生全員に見てもらいたいと感じるプレゼンテーションでした。
◾️参加生徒のレポート◾️
<三木さん>
ポスター発表では自分たちよりもレベルの高い他校の発表を見て自分たちの改善点を多く見つけました。分科会ではいろいろな視点から国際問題に触れることができました。同時に自分の英語をもっとあげたいと痛感しました。
普段交流のない同じ分野について研究している人と意見を交わすことができ、とても良い経験となりました。今回学んだことを千里フェスタの発表に向けて生かしていきたいと思います。
***************************************<野瀬さん>
この経験を通じて学べたことは大きく2つあります。1つは英語力の違いです。発表に来ていた生徒達は英語をとても流暢に話していて、プレゼンの中での表現も素晴らしかったです。高校の『プレゼンテーション・スキルズ』の授業を有意義に使ってもっと英語でのプレゼンの能力を向上させたいと思いました。
2つ目は世界には本当に沢山の環境問題があるということです。全く知らなかったことや考えたこともなかったことなど本当に沢山の環境問題があり、驚きました。このような環境問題について授業で詳しく取り扱う学校は限られているので、これから増やしていくべきだと思いました。
自分達が頑張って調べたトピックをたくさんの人に知ってもらえたことが何より嬉しかったです。いい経験になりました。
***************************************<ワタナーさん>
まず、たくさんの高校生がいたので驚きました。そして、みんな自分の学校の制服を着ていたので、「かっこいい」と思いました。
このフォーラムでは日本中の高校生が集まって、世界の色んな問題を一緒に話して、問題の解決策を探りました。
私が参加した分科会のトピックは、「自然と生活」でした。他の高校生は少し緊張していたので私が最初に話しました。グループのみんなに日本語で「緊張しないで」と言ったら、たくさん話しはじめてくれました。特に話したのは、環境の問題について、プラスチック、どのようにこの問題が起こったか、高校生が世界を良い場所にするために何ができると思うかについてでした。
みんなから新しいアイデアを聞くことができて、嬉しかったです。世界をもっと良い場所に変えることができると思いました。この SDGs はとても大切なことなので、みんながこのことについてもっと勉強して、そして考えて欲しいです。これからも、私たちの世界のために一緒に頑張りましょう。
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