アイスランドに10カ月留学してこの夏に帰ってきた人がいます。
どうやって過ごしたのか?そもそもなぜアイスランドなのか?どんなことを感じてきたのか?
興味がありませんか。 体験記を寄稿してもらいました。
私は2022年8月から23年6月までの10ヶ月間、アイスランドの一般家庭にホームステイをしていました。アイスランドを留学先として選んだ理由は、世界で最も幸福度数が高い国の1つで、現地の人々がどんなことを感じながら暮らしているのか、とても興味があったからです。
アイスランドで有名な古典の舞台を学校の遠足で巡った。 その時に学校の友人と撮った写真。 |
私のホストファミリーは首都レイキャビクの郊外に住む4人家族で、私より2歳年下と6歳年下の妹がいました。現地ではアイスランド語が公用語ですが、中学生ぐらいの年齢になるとみんな英語も話せるため、家族や友人とは主に英語で会話をしていました。それぞれが自分の国の公用語以外に、共通の言語として英語を使えるというのはやはり便利だな、と改めて感じました。
ホストファミリーの知り合いが経営している牧場に手伝いに行った。 ホストシスターとともに羊を捕まえた。 |
現地で通っていたホストスクールは首都の中心部にある公立高校でした。日本の高校と違って戸惑ったことは、同じ授業でも日によって教室が違っていたり、大学のように授業が急に休講になったりすることです。また、すべての授業がアイスランド語で行われていて、初めはどうしようかと思いましたが、スマホの翻訳機能を使ったり、先生方やクラスメイト、ホストファミリーにも助けてもらいながら、授業に付いていくことができましたし、クラス活動にも楽しく関わることができました。
さらに、折角の機会だから新しいことにも挑戦しようと思い、学校の合唱団に入りました。アイスランド語や英語の歌をたくさん教わり、12月にはクリスマスコンサートに、4月には女性議員誕生100周年の記念イベントに参加し、国会の前で歌うという貴重な体験もしました。もともと歌が得意というわけではない私ですが、団員の仲間のアドバイスのおかげで、だんだんとアイスランド語の発音もスムーズにできるようになりました。
今回の留学を通して私が一番強く感じたことは、実際に自分の目で見て経験してみないとわからない、ということです。ホストファミリーと互いの国について話をしたときに、私はそれに気づきました。
留学前の私は、アイスランドでは皆が一軒家に住んで牧場で働き、羊肉を毎日食べると思っていました。でも、実際はアイスランドにもマンションはありますし、羊肉をよく食べるとはいえ鶏肉や豚肉も食べるので、羊肉しかないわけではありません。他方、ホストファミリーは、日本人は皆お寿司が大好きで毎日それを食べ、だれもが折り紙を折るものと思っていました。
年末にホストファーザーのご両親と家族全員で撮った写真。 |
この経験を通して、私は次のように感じました。現代はネット等で世界中の様々な情報に触れることができますが、同じ情報に接しても人によって感じ方は違いますし、その国の様々なことのうちの一部だけを写しているに過ぎません。だからこそ、自分の目で見て感じたことを多くの方々に伝えられるよう、これからはより積極的に様々なことに挑戦していこうと思っています。
千里高校では毎年数名の人がAFSやYFUなどの留学斡旋団体を活用して長期留学に出かけています。多くの場合、2年生の夏に出発し、3年生の夏に帰ってきます。勇気がいりそうですが、得るものは大きいようです。
海外から本校に留学する人も毎年数名います。現在は、ニュージーランド・ベルギー・フィンランドからの留学生が2年生のクラスに入って日本の学校生活を体験しています。