大阪大学大学院国際公共政策研究科主催第 8 回待兼山会議(国際公共政策コンファレンス)が、数年ぶりにオンラインではなく対面形式で大阪大学豊中キャンパスで開催されました。
大阪大学のイベント紹介ページ https://www.osaka-u.ac.jp/ja/event/2023/03/iwuj1cより |
「環境と社会」・「国際紛争」・「多様性・インクルーシブ」・「持続的なまちづくり」の4つの分科会で、大阪府の他、愛知県・兵庫県・岡山県・長崎県にある十数校の高校生による発表が行われました。
本校からは、国際文化科の2年生2組3人が1年間取り組んだ課題研究の成果を発表し、審査員の先生方や聴衆の皆さんから助言や質問をいただきました。
参加した生徒の感想を紹介します。
■ 姫野真希さん:今回、参加して感じたのは千里高校でも様々な探究をしている人がいましたが、大きな問題としては似通っていても視点や調査方法が違うことで全く別の研究になるところがとても興味深いと感じました。
今回特に気になったのが、訪問してインタビューという調査以外にも、計算式を使うことや試算を行うことによって自分の探求の裏付けや提案につなげているところにとても刺激を受けました。スライドの作り方や話し方などもとても勉強になったので、プレゼンテーションスキルを向上させたいと考えている人にもとても良い経験になると思いました
■ 横川美歩 さん:
今まではそんなに大きな挑戦をしてこなかったのですが、先生が、絶対出た方がいいと押してくださったことで新しい挑戦ができました。
申し込んだら準備ですごく忙しくなることは予想でき、更に私は運動部に入っており試合も近かったため参加するか迷いましたが、せっかくのチャンスを無駄にしたくないと思い、申し込みました。
まず、阪大生が自分たちで一から作り上げているということを知って驚き、そして、このようなものを開催 してくださったことに感謝しなければならないと感じました。
日本全国の高校生が集まって発表を聞く機会は貴重で、たくさん刺激を受け、新しい視点・考え方を得られるご講評をたくさんいただいて、良い経験になりました。
まず、基調講演ですが、驚きと新発見の連続でした。
問題に名称を与えたり、問題自体を作り出したりする人をいう、「規範起業家」という言葉を初めて聞きました。誰も問うてこなかった問いをたてる。このような発想は私にはなく、思い返してみれば、すでにある問いに対してどのように解決できるか、ばかり考えていました。そして、誰も知らない問いについて考え、あり得る答えを提示するというのは、難しそうですが、大切な考え方だとわかりました。
次に、自分たちを含む、高校生の発表の講評や質問で、学んだこと、発見したこと、新たに知った考え 方などを箇条書きにしました。
・たくさんの切り口がある。 (分野や、研究者の立場に寄っても様々な考え方がある。また、対象者、例えば教育であれば、先生の 立場・生徒の立場のどちらから研究するかに寄っても異なってくる。
・小さなことも世界に繋がっている。
・どうしてこの問題があるのかを考える。 (昔はどうだったのか。誰が問題だと言い出したのか。(規範起業家))
・提案している案は他のものとどのくらい、どのように違うか。 (その手法を用いるとどんなところが良いのか。他の手法・案ではうまくいかない理由は何か。)
・既存のものを活用する。
・5W1Hに“So what?”を加えた考え方。 (So what?で終わらないようにする。)
・先行研究と比べて、どう違うか、どう新しいか。
・どうして、このような重要な問題が解決されていないのか。 (新規性が必要)
・成果の可視化 (可視化できた方が研究は進みやすい。)
・提案の実現可能性を考える
・コストをかける意味があるかもしれない。(市場価値以外の価値)
・私が思っていた「批判的」は全く足りないことがわかった。 (あらゆることを疑ったフィードバックをいただいた。例えば、SDGsは達成できないのではないか。)
・イノベーション (今なされている方法で解決できるなら、もう解決されているはずだから、新しい方法が必要。問題の発見もイノベーションである。)
また、全体を通して感じたこととしては、大前提なのですが、自分に十分な知識がなければ、いい質問ができないと感じました。私は、他の高校生の多様な視点からの質問にただただ圧倒されていました。
以上のように、多くの発見・学びがあり、本当に部活を犠牲にしてでも参加して良かったと思いました。 ですから、部活など、他の活動との兼ね合いで参加をためらっている後輩にも、参加することを強くおすすめします。
最後に、自分が探究を一生懸命やっていなかったら絶対経験できていなかったことだと思うので、たいへんでしたが、頑張って良かったと思いました。また、パートナーのサポートがあってこそ、このような探究、調査ができたので、感謝でいっぱいです。また、お互いに足りない部分を補い合い、二人で支え合って作り上げた探究だと、自信を持って言えます。これも、待兼山会議への参加を決めたことで話し 合いを重ね、よりよいものを追求することができたからだと思います。